マンガ紹介「アイシテル-海容-」

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本日のマンガ紹介は
「アイシテル-海容-」です。

○作者 伊藤実
○出版社 講談社
○掲載誌 BE・LOVE
○発表期間 2006年~2007年
○巻数 全2巻

■あらすじ
 主人公・小沢聖子は、愛する夫と二人の子供との幸せな生活を送る専業主婦。しかしある時、長男の清貴が何者かに殺害され、その生活は一変することになる。
 やがて清貴を殺害した犯人が判明するが、それはなんと違う小学校に通う11歳の男児であった。 

~ジャンル分類~ 
受け入れる事を知る漫画 

~要素方程式~ 
[被害者]×[加害者]×[親子愛]
=[受容]+[歩み寄り]
   

 話の大筋は、小学1年生の息子を殺された被害者の小沢一家と 殺人を起こしてしまった小学6年生の息子を持つ加害者の野口一家の 「被害者」と「加害者」という両面の関係を深く綴った作品。  

出典:コミック「アイシテル前編」

 副題にある「海容」とは 「海のような広い寛容な心」という意味をもつらしい。
 この副題が非常に作品の「根本」を表わしていて まさにこの作品の根本は被害者と加害者の歩み寄りというか 「相手を受け入れる」という非常に難しい部分を真摯に描いている。

~見所ポイント~ 

①被害者の気持ち

 まずは小学1年生の息子を殺害された小沢一家の悲痛が 本当に読んでいて辛く、「子を想う親」という視点の描写が 洗練されすぎていて、もう言葉が出ないです。

出典:コミック「アイシテル前編」

それでいて母親の「前に進もうとする意志」に心が動かされます。

出典:コミック「アイシテル前編」

 序盤は愛する息子を殺されたという一点に、憎悪の感情しか持たない母親が 次第に「どうしてこの事件が起きたのか」という事件の真相から、 「相手の母親はどんな気持ちなのか」「私達と同じではないか」と、 被害者から加害者へ歩み寄るという視点に移っていく。

 ここに副題でもある「海容」という、重要な要素がにじみ出てくる。

②加害者の気持ち

 自分の息子が、小学1年生の男の子を殺害してしまった。
 そんな加害者の母親は、「どうしてこんな事が起きてしまったのか」と 自分を責めたり、息子の事を考えたりと、次第に事件の真相に迫る。

出典:コミック「アイシテル後編」

 加害者として、「小学1年生の男の子を殺害してしまった」という 紛れもない事実に立ち向かいながらも、そこから息子への育て方や 愛し方、一人の母親として被害者へ歩み寄っていく。

③被害者と加害者

 息子を殺された被害者と、男の子を殺害してしまった息子を持つ加害者。
 しかも被害者は小学1年生の男の子で、加害者は小学6年生という あまりに悲惨でどうしようもない事件。そしてその両者の気持ち。 

出典:コミック「アイシテル前編」

 被害者と加害者が相互理解する道というものはあるのだろうか。 日々のニュースで流れる殺人事件や死亡事故などを見るとよく思う。 それでいて「答え」なんていうものはきっとないのかもしれない。
 
 ただ自分がもし「答え」を出すとするなら、 この作品のテーマでもある「海容」という 「受け入れる」「歩み寄る」というこの一点だと思う。

出典:コミック「アイシテル後編」

 被害者は加害者の動機や人生の軌跡を理解しなければいけない。
 加害者は被害者の想いや、今後の生き方を決めなければいけない。
 
 取り返しのつかない事件が起きてしまった今、 そこには「歩み寄る」「受け入れる」という一点にしか 「真理」にはいきつかないんじゃないだろうか。

 そんな簡単な事ではない。そんなに上手くいく事ではない。 そう言う人にこそ、この作品のインパクトは強烈だと思います。

④二人の母親

 「被害者」と「加害者」の「受け入れる」という真理に対して 非常に真摯に綴っているこの作品ですが、その要素として本作品は 「二人の母親」という視点をもって描いている。

出典:コミック「アイシテル後編」

 自分の落ち度を加害者へ伝え、「同じことだ」と諭す印象に残るシーン。 この「子を想う母親」という視点の描写がまず見事であるのと、 「子を想う母親は、被害者でも加害者でも同じである」という 「歩み寄る」という根本に非常に馴染みながら物語が展開されていく。

出典:コミック「アイシテル後編」

 この構図が非常にすばらしい。

「被害者と加害者」と「子を想う母親」
という二点の構図。ここがこの作品の真骨頂。
震える内容と展開には圧巻。見事。
 
 また、その視点から「親子の愛」というものにも話が展開するので、もうすごい。

出典:コミック「アイシテル後編」

~注意点~   

①なし
ないかなぁ。本当これは読んでほしい作品。 

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「アイシテル―海容―」
を一言で言うならば

被害者と加害者の答え

 「被害者と加害者」の受け入れるという真理。
 「子を想う母親」「親子とは」という真理。
 この二つの真理を上手く物語に織り交ぜている。
 
 恥ずかしながら、漫画で泣いてしまった。
 初めてかもしれない。
 
 非常に様々な要素が入り混じりながらも綺麗にまとめられている。 正直まだまだ伝えきれていない内容がたくさんあって伝えきれない。
 
 漫画としての魅力よりも、作品のテーマに多大な衝撃を受けて感動した。
 是非是非読んでほしい作品。
 きっと何か大切な感覚を得られる作品だと思う。

個人的好み度
 80%

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