本日の映画紹介は
「子供はわかってあげない」です。
○原作 田島列島
○監督 沖田修一
○脚本 ふじきみつ彦、沖田修一
○音楽 牛尾憲輔
○製作 オフィス・シロウズ
○封切日 2021年8月20日
<劇中アニメ>
「魔法左官少女バッファローKOTEKO」
□監督 菊池カツヤ
□キャラデザ 奥山鈴奈
□音響監督 横田知加子
□制作 颱風グラフィックス
■あらすじ
ひょんなことがきっかけで意気投合した美波ともじくん。美波のもとに突然届いた「謎のお札」をきっかけに、2人は幼い頃に行方がわからなくなった美波の実の父を捜すことになった。女性のような見た目で、探偵をしているというもじくんの兄・明大の協力により、実の父・藁谷友充はあっさりと捜し当ててしまった。美波は今の家族には内緒で、友充に会いに行くが……。(映画.com引用)
同名コミック原作の実写映画化。
好きな同じアニメをきっかけに出会う
高校生の美波ともじくんが描く青春群像劇。
物語は1年前に美波に届いた「謎のお札」と
幼少期に離婚で別れたきりの「父親捜し」で
大きく揺れ動いていきます。
~映像・音楽~
監督は「沖田修一」
過去監督作品で言うと
「南極料理人」「横道世之介」など。
音楽は「牛尾憲輔」
「聲の形」などの音楽も担当で
個人的に良い音楽を作ってるなぁと
記憶に残っている方です。
~演出・時間~
上映時間は138分。
物語冒頭、「幸せな家族の日常」を
固定カットのかなりの長さの演出が
印象的で「そういう映画」と予感がする。
ほのぼのとした日常と
ユーモラスな原作節の会話。
ゆっくりと、時にどっきりな
原作雰囲気を醸し出す「夏」は
2時間オーバーを選択しています。
それでも嫌にならない長さです。
~見所ポイント~
①魔法左官少女バッファローKOTEKO
まずは冒頭。
原作知らずだと確実に不安になる程に
「魔法左官少女バッファローKOTEKO」
のアニメ映像が割と長く流れます笑。
これは主人公の美波ともじくんが
出会うきっかけにもなる好きなアニメで
まさかここまでしっかりアニメ制作を
しているとは思わず原作ファン必見です。
②ゆったりとした「時間」
これは結構賛否両論ですけど
原作雰囲気に似た「ゆったり」と
心地よい「時間」が流れていきます。
再婚した家族で幸せな日常を送る美波が
ある日前の父親を探し会いに行くことに。
父親は宗教団体の教祖で超能力者で
美波は父親と少しの間過ごすことになる。
ほのぼのとした雰囲気と対照的に
ストーリー自体は割と刺激的な内容で
この雰囲気は実写化で見てみると
なかなか飽きずに鑑賞できました。
それは原作に無理に寄せ過ぎずに
あくまで「実写作品」としての役どころや
監督しての手腕が光っていたのかと。
何より監督特有の「間」はすごい。
これは独特だし観て印象に残ると思う。
③MVP「豊川悦司」
主演の「上白石萌歌」「細田佳央太」
さんもなかなかに溶け込んでいましたが
本作MVPは間違いなく「豊川悦司」でしょう。
美波の前の父親役の「豊川悦司」さんの
あの妙演は原作雰囲気を超えてしまい
強烈なインパクトで物語後半を支えます。
本作の「面白さ」はトヨエツが支えている。
~注意点~
①特になし
強いて言うなら序盤の「退屈さ」か。
これは監督の絶妙な「間」だとか
ゆったりとした「時間」の使い方が
合わない人は「退屈」に感じる面も。
ただし物語が動き出してからは
むしろこの「時間」「間」が面白さを
引き立てていくので大丈夫です!!
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「子供はわかってあげない」を一言で言うならば
「138分の心地よいひと夏」
138分。これはかなり長い映画。
それでも原作雰囲気の「ゆったり」と
監督特有の「間」「時間」が合わさって
とても「心地よい」138分になっています。
「田島列島」さんの原作実写化として
これ以上ない良い出来だったと思える程
夏の終わりに観れて良かったと思えた作品。
思い出した時にまた「観たくなる」映画。
5つ星評価
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