本日のマンガ紹介は 「式の前日」です。
○作者 穂積
○出版社 小学館
○掲載誌 フラワーコミックス
○発表期間 2012年
○巻数 全1巻
■あらすじ
“ふたりきり” それはこの世でもっとも切なく、もっとも尊い宝物。表題作「式の前日」ほか、5編を収録した、珠玉の“泣ける”読切り短編集。叙情と憧憬を鮮やかに紡ぐ俊英、ここにデビュー!!
~ジャンル分類~
斜情的日常切り取り漫画
~要素方程式~
[斜情的]×[日常]×[オムニバス]
=[穏やか]×[情景]
デビュー作にてこのマンガがすごい2013の
第二位に輝いた本作品。
表題作「式の前日」をはじめ
どこか斜情的で切ない切り口の日常を
少し古臭い線と穏やかで綺麗な仕掛けと
共に切り取っていきます。
今回は短編表題作「式の前日」を紹介。
結婚式を明日に控えた男と女のそれとない日常。
~見所ポイント~
①緩く穏やかな日常
基本的に表題作もその他含め
どことなく斜情的で穏やかな日常を
すごく丁寧に真摯に描いている印象です。
そこは素直に見所だと思う。
何気ない会話だったり
コマの切り取り話の流れだったり
一見何てことない日常なのだけれど
すごく練られた感じを受ける。
②はっとするラスト
表題作とその他含め
ほとんどの作品に「仕掛け」を作って
上手く最後に消化してくれるのだけれど
特に「式の前日」は見もの。
それとない日常が続き
それとないラストを予想して読んでいくと
最後の最後の数ページで何か違和感を感じて
きっと首を傾げる。
その後はもう最初から読みなおして
もう一回ラストを見ざるを得ない。
この当たりは
仕掛けを仕掛けとして感じさせない技量と
雰囲気が作品全体にあったからだと思う。
是非読んでみてください。
~注意点~
①デビュー作だから?
非常に完成度というか仕掛け方とか
真摯な姿勢を感じるけれど
劇的に魅力があるかと言うと
そういう印象はなくて「爆発力」はない。
そう思ってくるとだんだん
「デビュー作だからでは?」と感じ始めて
第2位の評価がどうなのか・・という印象も。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
「式の前日」を一言で言うならば
「それとなく切ない日常」
「真摯に」「綺麗に」という事に加えて
ここからもうひとつ何か「インパクト」のある
特徴が加わると「面白い」に繋がるはず。
現状では「インパクト」とか「個性」という
要素が中和されてしまっている印象が強いので
一見「地味」と感じてしまうのは仕方が無いか。
それでも「仕掛け」には魅力を感じる。
読み直したくなる仕掛けは好きだ。
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