マンガ紹介「ネムルバカ」

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本日のマンガ紹介は 「ネムルバカ」です。

○作者 石黒正数
○出版社 徳間書店
○掲載誌 リュウコミックス
○発表期間 不定期連載
○巻数 全1巻

■あらすじ
 大学の女子寮で同室のセンパイ&コウハイ。バンド活動に打ち込むセンパイは、いつも金欠ピーピー状態。これといって打ち込むもののないコウハイは、とりあえず「古本MAX」でバイト中。ぬるま湯に頭まで浸かったような、でも当人にはそれなりに切実だったりもする「大学生」という不思議な時間…。ぐるぐる廻る青春のアレやコレやを描いた大学生日常ストーリー  

~ジャンル分類~ 
ユルユル大学日常漫画

~要素方程式~ 
[大学生]×[ユルユル]×[日常]
=[夢]×[現実]

インディーズバンドとして
夢に向かう先輩、鯨井ルカと

特に熱中するものもなく
日常を過ごす後輩、入巣柚実の

ほのぼのとした日常が描かれる
先輩&後輩の大学生活ストーリー。

大学生活ストーリーとは言いつつも
それは設定がそうなだけであって
基本的に二人が同居する女子寮がメインで
大学生活らしい日常は一切出てきません。

出典:コミック「ネムルバカ」

そんな設定の中で
夢に向かっていく不安
何をしていいのかわからない不安

誰しもが感じるだろう
人並みの「モヤモヤ感」を
作者独特の切り口で語っていく作品。

物語終盤、大手プロダクションから
必ずしも夢とは一致しない方法での
プロデュースの機会を得た先輩、鯨井ルカは
人生のターニングポイントを迎える。

そんなバンドの夢と現実
大学生、ラストのバンドシーンなど

どことなく、いや、かなり
「ソラニン」とそっくりな作品です。
(まあ選択した答えは大きく違うのだけれど・・)

~見所ポイント~ 

①モヤモヤ感

夢を持つものと、夢を持てないもの
こんな少し両極端ではありますが
それを先輩と後輩という構図で振り当てられ
ほのぼのとゆっくり展開していく。

そして夢を持つものの不安や
夢を持てないものの不安など
まあいわゆるモヤモヤ感のようなものが

先輩の少し説教臭い台詞や・・・

出典:コミック「ネムルバカ」

後輩との日常や出来事などを通して・・

出典:コミック「ネムルバカ」

ユルユルの生活の中にジワジワと感じてくる。
なんだかそんな作品です。適当な説明だ・・笑。

②切り口が素敵

石黒正数作品は本作品が初でしたが

なんだかとてつもなく
一話一話の見応えがしっかりしていて
すごくストーリーの構成に感心してしまった。

作者独特の切り口やセリフが抜群で
なんだかすごく引き込まれてしまいました。

ストーリー自体は、結構シリアスな面とか
切ない切り口の場面が多い作品のはずなのに

読後中、とても楽しい雰囲気で読めたのは
この作者のどこかユーモラスな切り口や
一話一話の綺麗なまとめ方が効いているからかも。

出典:コミック「ネムルバカ」
出典:コミック「ネムルバカ」

好きだった子の
「聞いている音楽は何なのか」
という「神秘」を

自分に好意を持っている人に
与えるために空のイヤホンを付けるとか。

こんな風な、何気ない会話の中にも
作者の思考回路・センスが良く登場する。

「もっと見たい」って思える作者センスです。
(本当にいっぱいある。こういう面白い場面が。)

③誰に腹が立ちますか

結局この作品の登場人物は
夢を持つ側
の鯨井ルカと
夢を持てない側
の入巣柚実&男二人
この計4人なわけです。
(バイト先のあいつは枠外で笑)

出典:コミック「ネムルバカ」

個人的に上記画像のシーンは笑ってしまった笑。
独特な虚無感に染まる虚しすぎる青春カット!

この計4人の登場人物達をみて
読者は誰かしらに腹が立つんじゃないでしょうか。
(バイト先のあいつは全員一致で腹が立つけど笑)

夢を追いつつも、妥協案の道を使い進んだ人。
萌カーナビに夢中の、ちょっとずるい男。
深いようで浅く、何考えてるかわからない奴。
特に目標はなく、ずるずると過ごす後輩。


誰かしらに腹が立つのは
その登場人物に共感できなかったり
または類似しすぎての自己嫌悪だったり

そういう「モヤモヤ感」の渦において
色んなパターンが登場人物に練り込まれていて
共感、嫌悪感、その他もろもろ・・・

色んな感情で揺さぶられて
それがユルユルの日常設定上なんだからもう・・
なんともモヤモヤ感を感じさせる作品です。

~注意点~ 

①中途半端さが売りだけど

「モヤモヤ感」を演出する作品において
そっくりと言った「ソラニン」では
個人的にはすっきりなラストでしたが

今回の作品で言えば
鯨井ルカの選択などをとっても
なんとも現実的で、それでいて
インパクトもなんだか薄い。

もちろん、この作品はそういう
「中途半端さ」が売りっぽいから
それを「中途半端」と言っても
なんだか意味もないんですけど

やっぱり読み終わっても
なんともすっきりしない作品です。
ラストなんかもすごくすっきりしません。
絶妙にすっきりしない笑。

それが注意点でもあり魅力でもある。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

「ネムルバカ」を一言で言うならば

ネムルバカに捧げるモヤモヤSHOW

作者の未知なるセンスを期待しています。

今回の作品で言えば
トータルでみるとすごく完成度が高くて
なんだか「隙がない」って印象でしたが

自分としては「イヤホンの話」とか
カーナビ、アーチストなど・・・

その他多くの作者独自の切り口・センスを
存分に発揮し、爆発したような作品を見たい。
作者に興味が沸く漫画作品って良い。


個人的好み度
 62%

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