本日のマンガ紹介は 「リアル」です。
○作者 井上雄彦
○出版社 集英社
○掲載誌 週刊ヤングジャンプ
○発表期間 1999~現在連載中
○巻数 14巻(2014年12月現在)
■あらすじ
自身の引き起こしたバイク事故により高校中退
他人に一生残る傷を残した罪に苛まれる野宮朋美
車いすバスケットボール有力選手でありながら
仲間と上手くいかずにチームを抜けた戸川清春
自尊心が強くトラック衝突による交通事故にて
下半身不随の事実を受け入れられない高橋久信。
それぞれが向き合うREAL(現実)――。
(wikipediaより引用)
~ジャンル分類~
車椅子バスケット漫画
~要素方程式~
[障がい]×[バスケ]×[車椅子]
=[葛藤]×[人間ドラマ]
「SLAM DUNK」の作者
井上雄彦さんが描く
障がい者バスケットボールのお話。
見ていて驚いたのが
バスケットシーンが少なめで
スポーツ漫画というよりは
障害の人間ドラマを中心に描かれていたこと。
作品自体は、「こんな空気感も描けるのか」
と感心するぐらい暗い・・。
暗い、というかなんというか
淡々としている印象で
少しスポーツ漫画として見るには違和感。
フレッシュ感はないが
どこか惹きつけられる魅力ある作品。
~見所ポイント~
①人間ドラマ色の強い物語
車椅子バスケットという題材は
この「リアル」しかないでしょう。
と言ってもスポーツ色より人間ドラマ色が強く
主人公3人のストーリーが交錯する感じで進むが
ところどころの重いセリフやシーンは重い。
この漫画のテーマは読めばすぐに気づきますが
スポーツ漫画でなく障がい者人間ドラマにある。
②登場キャラクターの苦悩
主な主人公は三人いて
それぞれの苦悩、挫折、希望
様々な人間ドラマを見ることが出来る。
■骨肉種で右足を失った戸川は
「どうしてこうなった」「何故俺なんだ」など
陸上で頑張ってきたその結末を恨み悩んでいる。
■バイク事故で女の子に障害を残してしまった
絶対的な「後悔」に苦しむ野宮。
■自称Aランクの人生だった高橋も
トラック衝突のよる下半身不随の事実を
受け入れることが出来ず後悔と絶望に苦しむ。
3人とも過去を悔やみ生きている。
だけど過去を眺めていても先は見えないわけで
少しずつこの3人は、過去→現在→未来と進む。
3人の中で一番「未来」を感じるのは戸川。
彼は一度やめたバスケットチームに戻り
必死で毎日を過ごしている。
自動車免許も取得するなどすごく前向きだ。
もちろん中学頃に障害を持ったので
心の傷は一番昔ということもあって
3人のなかでは一番前向きで光っている。
次に、今まさに「現在」を
生きようとしているのは野宮。
事故で障害を残した女の子に会いに行くとか
戸川の車椅子を武器ではなく才能と言ったり
バイトを必死に頑張っているとか・・・
がむしゃらに今を生きているのが彼。
最後に、3人の中では
一番「過去」にすがっているのが高橋。
自称Aランクの人生を生きるも
下半身不随になってから過去を悔やむ生活が続く。
いなくなった父親と面会した日
自分の足をガラスで傷つける場面もあった。
落ち込んだり立ち直ったりと繰り返しの生活。
以上この3人と、その周りの人たちの
人間ドラマが主となっている作品です。
~注意点~
①スポーツ漫画として重い作風
障がい者スポーツマンガとして
別に明るい作風にすることはできたと思う。
しかし、このマンガの雰囲気は限りなく重い。
そのため、仮に「SLAM DUNK」を
頭の片隅に置いていると、スポーツ漫画として
期待を裏切られてしまうんじゃないかと思う。
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「リアル」を一言で言うならば
「主人公3人の向き合うリアル」
障がい者バスケットが
障害者区分1.0~4.5に点数で分けられ
五人の合計が14以下にならなければいけないとか
そういう純粋に障がい者スポーツの
ルールを知れるのもこの漫画の魅力です。
とにかく人間ドラマが中心。色々感じ取れる作品。
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