本日の映画紹介は 「地球外少年少女」です。
○原作・監督・脚本 磯光雄
○音楽 石塚玲依
○製作 Production +h.
○封切日 2022年1月28日 前編、2月11日 後編
■あらすじ
AIが発達し、誰もが宇宙空間に行けるようになった2045年。日本製の宇宙ステーション「あんしん」。地球への移住のためステーションでリハビリを行っていた月生まれの少年・登矢と幼なじみの心葉は、初めての宇宙旅行に地球からやってきた大洋、美衣奈、博士という子どもたちと一緒に、ステーションと彗星の衝突事故に巻き込まれてしまう。大人たちとはぐれ、ネットが切断された閉鎖空間で、子どもたちは時に反発し、時に助け合いながら、さまざな困難に立ち向かっていく。(映画.com引用)
2007年放送のTVアニメ「電脳コイル」の
磯光雄監督が手がけた宇宙SF最新作の本作。
Netflix独占配信に加え、全6話を前編後編の
二部作としても劇場公開されました。
2045年の近未来で「宇宙生活」が身近になり
AIの発達した世界で過ごす少年少女たちが
描く濃密で魅力的な宇宙SF作品となっている。
~映像・音楽~
監督は「磯光雄」
2007年の「電脳コイル」で高い評価を得た
磯光雄さんが原作・監督・脚本をすべて務め
非常に濃密な宇宙SF世界観が魅力的。
音楽は「石塚玲依」
作曲家、編曲家でアニメ・ゲーム関連の
音楽を手掛けていることが多いみたいです。
主題歌の春猿火「Oarana」も印象的。
~演出・時間~
上映時間は前編99分、後編91分。
作品自体はTVアニメ6話分相当なので
ED含めて1話30分というボリュームです。
劇場版でもEDそのままが流れるので
6話分を観た時のボリュームそのままです。
宇宙生活が身近でAI発達による生活が
実現した世界における少年少女達のSF作品。
日本製の宇宙ステーション「あんしん」。
月生まれの少年・登矢と幼なじみの心葉は
そこで地球からやってきた少年少女達と出会う。
ステーションへの彗星衝突に巻き込まれた事で
危機脱出や生還を目指し行動を共にするなかで
月生まれの登矢と心葉は自身の運命についてや
AI発達の世界への真実に迫っていく。
~見所ポイント~
①磯光雄の世界観
本作品の見所というよりも
磯光雄という監督の見所となってしまいますが
まずはここが一番の見所と言ってしまえる程に
「世界観」のその厚みに驚かされます。
あまりに「世界観」が出来上がっており
作中での「ワード」や「会話」には
付いていけなかったり理解が追いつかない。
地球外が当たり前となった世界観が広がる
全6話のアニメーションは「面白い」の一言。
②宇宙生活とAIの発達
本作品は怒涛の情報量とSF展開が
テンポ良く濃密に描かれる世界観として
観客をその世界に引き込んでいきます。
かつて人類知能を超えて発達し
消滅を迎えてしまったAIのseven。
AI世界と人類の共存の問題提起。
人類と人間の違い。少年少女達の未来。
答えが簡単には出ない難しい問題提起も
本作品では描かれますが、「面白さ」の根本は
宇宙生活の豊かさや楽しさをアニメで描く
その「ワクワク感」に尽きると思います。
~注意点~
①後半の締め方
人類知能を超えたAIや
少年少女達のこれからの未来など
非常に重いテーマも描く本作品ですが
終盤の広がった風呂敷の畳み方は
もう少し具体的なSF作品として
締めて欲しかったなぁという印象で。
少しファンタジー色強めで
抽象的に終わってしまったのは残念。
前半と後半のSF感の高低差に違和感。
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「地球外少年少女」を一言で言うならば
「人類と人間の違いは何?」
超越した人工知能sevenが話す
人類は理解できるが人間が理解できない
と言うシーン。その意味は何を指すか。
それはもしかすると「視点」の違い
「誰」を対象に物事を判断するかの
主観・客観・俯瞰的な違いなのかもしれない。
それは本作品のタイトルにもある
「地球外」という表現、テーマにも通じる
物事の「視点」に関わるヒントに感じました。
宇宙SF作品としてアニメーションとして
とにかく「ワクワク感」と「楽しさ」において
本作品は魅力的な世界観を描いています。
万人におススメできる良作。面白いです。
5つ星評価
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