本日の映画紹介は 「金の国 水の国」です。
○原作 岩本ナオ
○監督 渡邉こと乃 ○脚本 坪田文
○キャラデザ 高橋瑞香
○音楽 Evan Call
○制作 マッドハウス
○封切日 2023年1月27日
■あらすじ
2017年「このマンガがすごい!」で第1位を獲得した岩本ナオの同名コミックをアニメーション映画化。
商業国家で水以外は何でも手に入る金の国と、豊かな水と緑に恵まれているが貧しい水の国は、隣国同士だが長年にわたりいがみ合ってきた。金の国のおっとり王女サーラと、水の国で暮らすお調子者の建築士ナランバヤルは、両国の思惑に巻き込まれて結婚し、偽りの夫婦を演じることに。自分でも気づかぬうちに恋に落ちた2人は、互いへの思いを胸に秘めながらも真実を言い出せない。そんな彼らの優しい嘘は、やがて両国の未来を変えていく。(映画.com引用)
2017年「このマンガがすごい!」で
第1位を獲得した岩本ナオ先生原作漫画の
映画化作品となった本作。
物語は互いに仲の悪い二国が主軸。
水以外はすべて手に入る豊かな金の国と
水と緑に恵まれるが貧しい水の国。
金の国のおっとり王女のサーラと
水の国のお調子者の建築士ナランバヤルが
両国の思惑で始まる結婚話に巻き込まれる
ことから物語が大きく動き出します…。
~映像・音楽~
監督は「渡邉こと乃」
過去監督作品ですが、私は思い当たる
見たことのある作品がありませんでした。
音楽は「Evan Call」
ヴァイオレットエヴァ―ガーデンや
ジョゼと虎と魚たちなど
Evan Callさんの映画音楽は注目で
アニメ映画作品でこの方が音楽担当を
していれば間違いなしと思ってよし。
~演出・時間~
上映時間は117分。
物語はいがみ合う「二国」の話。
水以外何でも揃う豊かな国「金の国」
水や緑に豊かだが貧しい国「水の国」
両国は互いに仲の悪い隣国同士だが
ある時、両国の政略的な結婚話が出る。
巻き込まれたのは両国のふたり。
金の国のおっとり王女のサーラと
水の国のお調子者の建築士ナランバヤル。
ストーリーは一言で「ハートフル」
岩本ナオ先生の「やさしい世界」が
マッドハウスの「丁寧な原作遵守」で
支えられた見応えのある2時間でした。
物語の主軸や展開はしっかりしているので
中だるみや映画としての構成は違和感なく
非常に満足度の高い印象でした。
~見所ポイント~
①やさしい世界
岩本ナオ先生の原作漫画を
一度でも読んでいただければ
その「やさしい心理描写」が
思い浮かぶ事間違いなし。
本作でも政略結婚に巻き込まれた
二人の男女が二国を結んでいく姿が
制作:マッドハウスの丁寧な原作遵守に
支えられ、やさしい世界が造られる。
個人的には人物造形がシンプルで
映像映えしない部分もあるからなのか
背景描写に力を入れている印象でした。
②ナランバル役:賀来賢人さん
若手俳優の声優…という部分は
アニメ映画を観てきたなかでは
やはり期待値は下がってしまうのですが
ナランバル役の賀来賢人さん。
これはキャラや作品世界観に
溶け込んでいて引き込まれました。
③エンドロールはファン必見
原作漫画に忠実だった事に加え
本作エンドロールの「後日談?」の
演出は原作以上なのでファン必見。
もともとの「やさしい世界」に重ね
エンドロールは映画の満足度に加え
幸せな「余韻」を残してくれます。
~注意点~
①良くも悪くもバランス型
たぶん、おそらく、大半が…。
本作品が「普通、物足りない」と
感想を持つ方も多いと思う。
加えて悪人の少ない「やさしい世界」
岩本ナオ先生のこの絶妙な
「バランス」は良く言えば「職人芸」
悪く言えば「素朴で物足りない」。
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「金の国 水の国」を一言で言うならば
「あっしはいつでもお嬢さんの味方ですがね」
人が人が思いやる「心の沸点」
その沸点が限りなく低い本作品は
岩本ナオ先生の「テーマ」を丁寧に
アニメ映画として制作されました。
「アニメ映画」として
「見映え」が少なく「見応え」が強い。
そんな不思議で心地よい作品です。
5つ星評価
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