本日のマンガ紹介は 「風子のいる店」です。
○作者 岩明均
○出版社 講談社
○掲載誌 モーニング
○発表期間 1985-1988
○巻数 全4巻
■あらすじ
郊外の街に住む高校生風子は、吃音のために学校で教師やクラスメイトから迷惑がられ自殺も考えるが、逃げ場所を求めて喫茶店ロドスのウェイトレスになった。それは内気な性格を直す為でもあった。風変わりな出来事の多いロドスで、様々な他人と関わり合いながら、風子はしだいに明るく成長していく。(wikipediaより引用)
~ジャンル分類~
喫茶店アルバイト日常漫画
~要素方程式~
[喫茶店]×[女子高生]×[日常]
=[成長]×[人物描写]
代表作「寄生獣」で有名な
岩明均さんの初連載作品。
内容は内気な女子高生有沢風子の
成長を描く日常ストーリーです。
基本的に物語の舞台は
風子のアルバイト先である喫茶店「ロドス」であり
そこで出会う様々な人達、出来事などを通して
風子は人間的に大きく成長していく。
~見所ポイント~
①風子の成長
風子が初登場するシーンは
お会計のときにしゃべることもできず
ありがとうございましたも最後まで言えないような
おとなしく頼りない女の子だった。
風子初登場シーン。
お会計のときに「どもる」風子。
しかし、全4巻という短い中でも
様々な人たちや出来事に遭遇していく中で
リアルな成長を遂げていく
風子が垣間見ることができる。
物語後半で自分自身に成長を感じる風子。
人間的な「成長」ということを
丁寧に、そしてゆっくりと描くこの作品。
ここは作者さんの真摯な作風を体現している。
②誠実な「人物・場面」描写
本作品を一言で表すのなら
「地味」という一点だと思います。
「地味」と聞くとマイナスな印象ですが、
本作品に関しては限りなく
プラスの意味を含む「地味」です。
本作品に登場する人物たちは非常に人間味あふれ
もはや「キャラクター」ではなく
「実在する人物」としてさえ感じられる。
物語中盤で登場するみさ子さん。
何気にインパクトある人だったなぁ。
作者の岩明均さんの誠実な人間描写によって
登場人物たちが現実そのものに感じるほど。
女子高生である風子の
現実そのものを描ききっているので
あまりにも地味であまりにも普通な日常。
それでも面白いのは何故だろう。
作者の描写力には驚くばかりです。
③作者の哲学観
これほどまで地味なストーリーもない笑
というほどの日常が描かれていくこの作品ですが
作者特有の人生観や哲学観で描かれる
日常シーンは本作品の魅力的な見所。
物語序盤で「おお」と思える台詞に遭遇。
哲学観ある台詞がよく出る。
多くの日常の出来事が登場する中で
すべてのストーリーが思い出せるほど
魅力感じる日常がこの作品にはある。
~注意点~
①限りなく「地味」です
正直「漫画」というツールにおいては、
本作品は日の目を浴びないんじゃないだろうか
と思ってしまうほど地味で普通の日常が描かれる。
読んでいて驚くかもしれない。
見せ場もないし、登場人物にインパクトもない。
そんなことを絶対に思ってしまう作品で
これは読んでいて正直感じたところで
全4巻とは言え挫折してしまう人もいるかも。
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「風子のいる店」を一言で言うならば
「風子の人間成長ドラマ」
リアルすぎる人間描写や場面描写に圧巻。
人間的に成長していく風子とその周りの人間たち。
喫茶店ロドスが
本当にあるのではないだろうかと思うのは
本作品の「世界観」というものが
しっかりと全4巻で創り上げられているから。
本作品を初連載で描くのは率直に称賛。
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