本日のマンガ紹介は
「思い、思われ、ふり、ふられ」です。
○作者 咲坂伊緒
○出版社 集英社
○掲載誌 別冊マーガレット
○発表期間 2015-2019
○巻数 全12巻
■あらすじ
少女漫画の恋愛に憧れ、夢見がちで消極的な由奈と、明るく積極的で現実的な恋愛を楽しむ朱里、2人は正反対の性質だが、不思議と親しくなっていく。由奈が気になっていた「王子様」が朱里の弟・理央であることが判明、恋愛未経験の由奈は理央への気持ちは恋ではないと思っていたが、次第に自分が理央を好きになったことに気が付く。
朱里は姉の目から見て、由奈には理央を薦められないと伝えるが、由奈の人生初の恋を応援しようと決心する。朱里は、由奈が唯一親しく話せる幼なじみ・乾和臣のストレートな言動にドキドキさせられる。4人の青春が始まる。(wikipedia引用)
~ジャンル分類~
Wヒロイン高校恋愛漫画
~要素方程式~
[恋愛観]×[Wヒロイン]
=[振られ]+[再告白]
夢見がちで慎重な「恋愛観」を持つ女の子と
現実的で軽快な「恋愛観」を持つ女の子が
ある日偶然出会った事から始まる青春群像劇。
全く違った恋愛観を持った二人は
それぞれ好きな男の子ができていくが・・
駅で初対面の女の子に
お金を貸してもらうと頼む「朱里」と
初対面ながらも状況を察して
お金を貸してしまう「由奈」
二人の出会いから始まるWヒロイン青春群像劇は
ちょっと複雑な事情が絡んでいくことになります。
見所紹介は4人の登場人物紹介を交えて・・。
~見所ポイント~
①少女漫画的恋愛観の「由奈」
まずはWヒロイン一人目の「由奈」
由奈は小さい頃に絵本で見た「初恋の王子様」が
いつか目の前に現れると信じる夢見がちな女の子で
後にその王子様にそっくりな「理央」という子に
恋をして、ついには告白をすることとなる。
「本当の恋」という理想を求めて
それでも消極的な性格から、当初は前に進めずも
次第に大きな成長を見せていく。
しかしそれは「理央」に好きな子がいると知り
またその「特別な事情」を知ってのダメ元の告白。
実は物語序盤で由奈は「ふられ」てしまう。
②現実的軽快恋愛観を持つ「朱里」
Wヒロインもう一人の「朱里」
朱里は由奈が恋をした「理央」の義姉で
親の再婚で理央と姉弟になった事情を持つ女の子。
恋愛観や行動は軽快で軽薄な一面を持ち
また「自分の本心」を隠し、先回りすることで
自身や相手の傷を回避しようとする傾向を持つ。
恋愛の「しかけ」「しかけられ」の駆け引きや
相手の感情を先読みする「慣れ」がある一方で
由奈の幼馴染である「和臣」の読めない行動には
素直に心を動かされ、次第に惹かれていく。
親の二度の離婚や重なる引っ越しなどで
目まぐるしく変わる家庭環境で育ったこともあり
普通の家庭環境に憧れを持つ。
③初恋の王子様にそっくりな「理央」
由奈の初恋の王子様にそっくりで
朱里とは親同士の再婚により義弟となった男の子。
転校してきた朱里に一目惚れをして
好意を持って告白をしようとしていた当日に
親同士の再婚で「義姉弟」という関係性に。
伝えられなくなってしまった「好意」を抱えながら
朱里との関係性に悩む途中で由奈からの告白を受け
理央はそれを断ってしまう。
④由奈の幼馴染で天然な一面を持つ「和臣」
由奈の幼馴染である「和臣」は
由奈の友達として出会う朱里に対して
天然なのか好意なのか読めない行動を取る男の子。
寝ている間に触られた朱里の手の匂いを
思い出すように手を握る天然行動をみせる。
親の不仲や厳格な家庭環境に不安を持ち
似た境遇でもある朱里のことを次第に意識し
時折に朱里への好意を見せていくが
理央が朱里へみせるその「想い」を感じ取り
理央との「友情」を優先し一歩引いてしまう。
その後朱里からの告白を受けるも
理央の事もありそれを断ってしまう。
~注意点~
①恋愛観について
Wヒロインと二人の男の子。
恋愛観の違いやすれ違い、家庭環境や友情。
青春群像劇「ど真ん中」な王道恋愛作品。
なのですが・・・。
ひとつだけ気になるのは
「理央」のその恋愛思考の「違和感」かなと。
それこそ朱里の持つ「軽快な恋愛観」というか
朱里を「思う」その気持ちや経緯を丁寧に描き
物語中もそこを「断ち切る」区切りはあるものの
その後すぐに由奈への「好意」を持ち始めるのは
ちょっと「どうなのよ!」と違和感を感じる笑。
これこそ「恋愛観」の違い?なのかもですが
自分はこの時点でちょっと喉に骨が刺さるような。
②内面思考の強い描写
ひじょ~~にですね・・
登場人物それぞれの「内面思考」の描写が
全体的に多く、高校生っぽくない面があり笑
実際の「行動」よりも「思考」の時間が長く
全巻読み終わって感じる「実場面」の少なさ。
これはちょっと少女漫画の青春群像劇としては
勿体ないというか「名場面」「名シーン」が
あまり作りづらい展開だったのかなと思います。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
「思い、思われ、ふり、ふられ」
を一言で言うならば
「思い、思って、また、思い」
恋愛観の違うWヒロインが交差する
青春群像劇はとても魅力的なアイデアで
王道的な少女漫画でおススメできる。
そして何より一度Wヒロインは「ふられ」ていて
その後の展開がどう進むかが作品の主題でもある。
ただ一方、タイトルにもあるように
「思い、思われ」の内面思考的展開の濃さが強く
少し「考えすぎ」の恋愛傾向の印象もあるかも。
絵柄の可愛さは人気が出そうな万人向け。
一度「ふられ」たWヒロインの恋の行方は・・!?
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