本日の映画紹介は
「ヴァイオレット・エヴァーガーデン 外伝」です。
○原作 暁佳奈
○監督 藤田春香 ○脚本 吉田玲子
○キャラデザ 高瀬亜貴子
○音楽 Evan Call
○製作 京都アニメーション
○封切日 2019年9月16日
■あらすじ
京都アニメーション制作の人気アニメで、2018年にテレビ放送およびNetflixで世界配信された「ヴァイオレット・エヴァーガーデン」の新たな物語を描く外伝。
外伝となる本作では、良家の子女のみが通うことを許される女学園を舞台に、未来への希望や期待を失っていた大貴族の跡取り娘イザベラ・ヨークと、彼女のもとへ派遣されてきたヴァイオレットとの出会いから生まれる物語を描く。(映画.com引用)
戦争孤児、軍人として育った
ヴァイオレット・エヴァーガーデンが
「自動手記人形」と呼ばれる代筆業に就きながら
多くの手紙代筆や人との出会いを通して
次第に愛を知っていく姿を描く作品。
本作品はその「外伝」として描かれる話で
わけ合って淑女として教育を受けるイザベラと
生き別れの妹であるテイラーの義姉妹の物語。
~映像・音楽~
監督は「藤田春香」
TVアニメシリーズの石立太一さんと
違う監督さんでの外伝となりますが
他担当は基本的に同じ製作陣となります。
ですので詳細は本記事リンクの
アニメ紹介にあるのでご覧ください。
主題歌はアニメシリーズ同様に
茅原実里さん担当で「エイミー」
本作品にもリンクした歌詞は必見。
~演出・時間~
上映時間は90分。
映画単体作品としての構成としては
隙なく間延び間もなく完璧でした。
物語は二部構成。
物語の中心は義姉妹の
イザベラ(姉)とテイラー(妹)
「前半」はイザベラという貴族女性の
淑女の教育者としてヨーク家にやってきた
ヴァイオレットが
イザベラがかつて生き別れになった
テイラーという女の子への手紙代筆を請負う
部分までが描かれていく。
「後半」は、義姉のイザベラからの手紙を頼りに
CH郵便社へやってきたテイラーが、配達人である
ベネディクトと共にイザベラの元へ訪れるまで。
~見所ポイント~
①貴族の道を選んだイザベラ・ヨーク
まずはイザベラという貴族のもとへ
家庭教師としてやってきたヴァイオレット。
貴族人生の閉塞感を語るイザベラの
壮絶な過去を知り、生き別れたテイラーへの
手紙の代筆を請負うシーン。
イザベラはかつてエイミーという名で
貧困街で暮らした過去を持ち、そこで
テイラーという孤児を妹のように慕っていた。
しかし実は貴族の娘であったイザベラは
テイラーの孤児院への保護を引き換えとして
自身が貴族へ引き取られる道を選んだ。
テイラーの為を想って生き別れたイザベラは
テイラーへの想いを手紙という形で伝える。
②義姉イザベラの想いに気付くテイラー
物語後半はイザベラの出会いから3年後。
イザベラからの手紙を頼りにCH郵便社へ
やってきたテイラー。
テイラーは貴族の道を選んだ別世界で生きる
イザベラの元へ訪れることができたものの
自身の自立した姿を見せることがイザベラへの
一番の恩返しと考え姿を隠し手紙だけを渡す。
テイラーを想い貴族の道へ進んだイザベラ
イザベラを想い配達人として自立を目指すテイラー
互いを想う気持ちと会えない理由から
それぞれが「手紙」と言う形で想いを伝え
気持ちが溢れる二人のシーンは必見必涙。
③テイラーの手紙
前半から繋がる後半クライマックスで
テイラーの手紙を読むイザベラの名シーン。
テイラーの手紙は予想外の内容でしたが
たったその「一言」がイザベラにとって
どれだけ大事で、どれだけ救われたか・・
本当にひとつの物語として完璧な演出で
個人的にはアニメシリーズの物語以上に
この外伝のストーリーは感動的なものでした。
~注意点~
特になし。全く無い。
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「ヴァイオレット・エヴァーガーデン 外伝」
を一言で言うならば
「エイミー ただ そう唱えて」
イザベラが義妹テイラーへ届けた手紙には
あなたを守る魔法の言葉としてこの言葉が。
映画物語の冒頭導入シーン。
帽子を深くかぶったテイラーが
ライデンへ向かう船で何かを口ずさむ。
映画初見では特に気になる場面ではないが
すべてを観終わった後に気付くそのシーンの
テイラーが口ずさんだその言葉がわかるはず。
本当に最初から最後まで見事な演出で描く本作は
外伝とはいえ、原作負けずの感動的な物語で
ひとつの「映画作品」として隙が無く完成され
個人的には劇場版に少し勝る程に感じる
文句なしの傑作。至高のアニメーション映画です。
5つ星評価
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