本日の映画紹介は 「えんとつ町のプペル」です。
○原作・脚本 西野亮廣
○監督 廣田裕介
○キャラデザ 福島敦子
○音楽 小島裕規、坂東祐大
○製作 STUDIO 4℃
○封切日 2020年12月25日
■あらすじ
舞台はえんとつだらけで煙に覆われた町。町の住人は煙の向こうに何があるのかを知らない。しかし、えんとつ掃除屋ルビッチだけは星の存在を信じていたのだった。 そんな中、ハロウィンにルビッチはゴミ人間に出会い、「ハロウィン・プペル」と名付け友達になる。ルビッチとプペルは意気投合、ルビッチはプペルに対し、煙の向こうには星があると信じていることを内密に打ち明ける。(wikipedia引用)
大人気絵本原作のアニメ映画化。
原作、脚本など総指揮を手掛けるのは
芸人コンビ「キングコング」の西野亮廣。
完全分業体制で作成された原作絵本を
密度の濃いアニメ製作の「STUDIO 4℃」で
アニメ映画化された本作の期待値は高い。
空を見上げることを忘れてしまった
黒い煙で空が覆われた「えんとつ町」
えんとつ掃除屋の少年ルビッチは
ハロウィンの夜に舞い降りたゴミ人間の
プペルと出会い、物語は動き出す。
~映像・音楽~
監督は「廣田裕介」
原作・脚本は「西野亮廣」
お笑い芸人「キングコング」の西野亮廣さんが
絵本作家として手掛けた原作のアニメ映画化で
まずは製作があの「STUDIO 4℃」という魅力。
絵本という事もあって幻想的な世界観と
それに見合った劇中の音楽や主題歌も見所。
映画製作の配給に「吉本興業」と出るのは
なかなかに珍しい面白い光景でした。
~演出・時間~
上映時間は100分。
絵本原作のアニメ映画化ということもあり
物語の展開や尺的にもバランス良く感じて
見ていて気にならない演出でした。
えんとつ町の秘密や過去にあった史実
そして少年ルビッチが選ぶその行動の結果は
どのような結末を迎えるのかは見所。
~見所ポイント~
①絵本原作の独創的世界観
まずは絵本原作のこの世界観を
STUDIO 4℃製作CGで描かれる本作は
魅力的な映像で楽しませてくれる。
作中のえんとつ町の世界観は
千と千尋でもモデルとなった台湾の九份に
通ずるような煌びやかでどこかレトロ。
黒い煙で囲まれたその世界で
より一層目立つ煌びやかな「光」は必見。
STUDIO 4℃は「鉄コン筋クリート」の
アニメ映画から出会いファンになりましたが
その完成度と密度の濃さにハズレなし。
②えんとつ町の秘密
黒い煙で囲まれたえんとつ町。
空を見上げることを忘れてしまった町。
そんな「閉塞感」に疑問を持ったルビッチが
プペルというゴミ人間に出会ったきっかけから
煙の向こうにある「星」を探し出す物語。
絵本原作ということもあって
シンプルで心に入りこむストーリーは良し。
万人におススメできる作品の印象でした。
③声優は抜群だった
個人的に本作品は全体バランスが良く
完成度は高く見所多い作品だと思う。
そして声優陣の技量もまた良かった。
少年ルビッチ役の芦田愛菜は言うまでも無く
ゴミ人間プペル役の窪田正孝も抜群でした。
映像研には手を出すな!のアニメで
みどり役を演じた伊藤沙莉さんも
少年アントニオ役はハマリ役でした。
またルビッチの父親のブルーノ役に
落語家の立川志の輔さんという絶妙配役。
紙芝居調で物語終盤の語り部は鳥肌。
~注意点~
①ほとんど見当たらない
全体的な完成度は高かった印象で
万人におススメできる作品でした。
強いて言うなら絵本原作という点で
ストーリーはライトでシンプルなので
映画としての展開や情報量は軽め。
それでもその「軽さ」を感じさせない
物語、伏線、キャラ、映像、声優etc・・・
決して「軽い」とは思えない完成度です。
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「えんとつ町のプペル」を一言で言うならば
「見上げた空に何を思う?」
主題歌の2番始まりの歌詞
夢を持てば笑われて
声を上げれば叩かれる
見上げることができない町で
ボクはどうだ?
空を見上げることを忘れた
閉塞感漂う町で声をあげる少年の
「勇気」や「希望」が
空という1点に町人全員の視点が集まり
物語のクライマックスに向かう展開は見事。
総じて見るとバランス良く完成度も高く
全体的な満足感もあっておススメな作品。
5つ星評価
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