映画紹介「ジョゼと虎と魚たち(アニメ)」

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本日の映画紹介は
「ジョゼと虎と魚たち(アニメ)」です。

出典:劇場アニメティザーポスター(画像リンク:映画公式サイト)

○原作 田辺聖子
○監督 タムラコータロー ○脚本 桑村さや香 
○キャラ原案 絵本奈央
○音楽 Evan Call
○製作 ボンズ
○封切日 2020年12月25日 

■あらすじ
 大学で海洋生物学を専攻する恒夫は、メキシコに生息する幻の魚を見るという夢を追いながら、バイトに勤しむ日々を送っていた。そんなある日、坂道を転げ落ちそうになっていた車椅子の女性ジョゼを助ける。幼少時から車椅子で生活してきたジョゼは、ほとんどを家の中で過ごしており、外の世界に強い憧れを抱いていた。(映画.com引用)


田辺聖子による原作の恋愛短編小説を
ボンズ製作によりアニメ映画化した本作品。

2003年に犬童一心監督による実写映画化から
17年の時を経てのアニメ版の映画化になる。

原作は短編小説ということもあり
実写もアニメも脚本での肉付けが大きく
原作とは違う景色を彩っています。

物語は夢のためにバイトに勤しむ恒夫
ある日、足の不自由な女性:ジョゼに出会い
ひょんなことからジョゼのお世話役の
バイトを受け持つという場面から始まる。

~映像・音楽~ 

監督は「タムラコータロー」
アニメ映画『おおかみこどもの雨と雪』で
助監督を務めた方で個人的には注目の監督。 
 
音楽は「Evan Call」
ヴァイオレット・エヴァ―・ガーデンでの
劇中の音楽も担当していてその手腕が光る。
個人的に劇中音楽は見事の一言でした。

主題歌はEve「蒼のワルツ」
最近youtubeで活躍する歌手が
メディアで登場してくる姿を良く見るが
個人的にEveさんはその中でもイチオシ。
(このMVを見てもらうのが一番早い)


もうね・・主題歌もそうだし
劇中音楽でその歌声も出てきて
本作の音楽は総合的に完成度が高い。

~演出・時間~ 
 
上映時間は98分

物語は夢の為に進む大学生の恒夫
足が不自由で閉塞感を持って生きてきた
ジョゼと名乗る女性の出会いから始まり

夢に進む希望や、運命に抗えない絶望
健常者と障碍者、惹かれ合っていく男女など

物語自体は割と日常的なんですが
そこで描かれる心情や心理描写は
原作小説とはまた違う魅力で引き込まれる。

~見所ポイント~ 

①四季折々の綺麗な映像美

本作品音楽の完成度も然り
ボンズ製作の映像美もまた見所のひとつ。

個人的には特に「四季」に注目したい。

原作小説とはまた違う方向性ですが
本作品での深みのある心理描写は
作品中に流れる四季にもリンクを感じる。

海洋生物学を学び、いつか幻の魚を
メキシコで見たい夢の為バイトをする恒夫

ジョゼは足の不自由な閉塞感を持つものの
恒夫との出会いから次第に外の世界に向き合い
成長し、また恒夫と惹かれ合っていく。

物語はダイビングが眩しい「夏」から
「秋」「冬」そして「春」で幕を閉じるが

改めて劇中を思い返すと
物語の起承転結が春夏秋冬に割り当てられ
また恒夫とジョゼの心情にも通じる感覚。

この自然で満足感溢れる感覚は見事でした。

②ジョゼの可愛さ、魅力

本記事でも貼ったティザーポスター。
この一枚絵でもう惹かれてしまって。

キャラ原案の絵本奈央さん。
同名原作のコミカライズの漫画もあり
このジョゼの魅力は劇中も必見。

基本的には天邪鬼できつい性格だが
恒夫との出会いから次第に感情豊かで
魅力的な一面を見せてくれる。

また本作品のアニメならではというか
「表情の豊かさ」は抜群に良かったです。

③声優の注目株

アニメと言えばやはり声優。
全体的に声優の完成度は高い印象。

そのなかで特に一番魅力的だったのは
ジョゼ役の若手女優「清原果耶」さん。

実写では「3月のライオン」でひなた役
を演じていたのが印象的でしたが
声優としても見事なジョゼ役だった。

女優のアニメ声優って天地が分かれる
印象なんですが、今回は「天」と言い切れる。
それほどまで「声」が動いていた。

~注意点~ 

①原作とは違うベクトル

原作は数十ページ短編小説であり
実写もアニメも脚本での肉付けが大きく
主題や設定は一部引き継いでいるものの

本作品でのテーマや心情はベクトルが違う。

なのでそもそも原作比較という次元ではなく
よくある「原作比較」は意味が無いので割愛。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

「ジョゼと虎と魚たち(アニメ)」
 を一言で言うならば

1984年原作小説のアニメ映画化  

忘れてはいけないのは
原作小説は1984年発表ということ。

もちろん劇場アニメは舞台が現代であり
設定や展開も原作とは乖離が激しい面も。

ただそれでもこの時代にアニメで蘇り
映画として自然で綺麗な感動を与えてくれるのは
原作小説の普遍的な魅力があるからであって

少なくとも本作品で感じる心情や映像は
映画作品として心動かしてくれるものだった。


5つ星評価 4.3

(*’▽’)「映画紹介一覧はこちら」(*’▽’)




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