本日のマンガ紹介は
「スイートプールサイド」です。
○作者 押見修造
○出版社 講談社
○掲載誌 週刊ヤングマガジン
○発表期間 2004年
○巻数 全1巻
■あらすじ
太田年彦は男子なのに毛が生えないことを悩む中学1年生。同じ水泳部の毛深い女子・後藤綾子のことを密かに羨んでいる。ある日放課後のプールで後藤より太田は呼び止められて、自分の毛を剃ってくれるように頼まれる。後藤は自分が毛深いことに悩んでおり毛がない太田を羨んでいたのだった。
~ジャンル分類~
剃毛する青春日常劇漫画
~要素方程式~
[コンプレックス]×[毛]×[男女]
=[剃毛]×[青春]
毛が薄い事をコンプレックスに持つ男と
毛深い事をコンプレックスに持つ女が
ひょんな事から出会ってしまい
自分に「無いもの」を持つ相手に憧れる。
ジャンルが「剃毛する青春日常劇」という
間違いなくオンリーワンなジャンルですが笑
本当にそうなんです。そうなんです・・。
こんな独特というか・・
変態な題材はなかなか思いつかない。
さらに言えばこれが「初連載」だから驚き。
この題材が初連載とは・・なかなか笑。
~見所ポイント~
①コンプレックス
まず見所なのは「毛」。
ではなくて「コンプレックス」です笑。
毛が薄い事を多感な思春期で悩み続け
「コンプレックス」となってしまった男。
彼は自分のコンプレックスを持つ中で
毛深い女性を水泳活動で知ることになり
「自分に無い物」を持つ異性に憧れを感じていく。
たぶん「毛」のインパクトが強すぎて
見所を失いそうですが笑
そもそも毛薄い男が
毛深い女に憧れるだろうか?と
冷静に考えるとかなり不可思議で
普通に考えてリアリティはない気がします。
なのでこの物語は
「自分に無いものに憧れる」という
「コンプレックス」一点を
主軸としている作品だというのは明確。
②毛を剃ってと頼まれる
「自分に無いものに憧れる」という
コンプレックス基点が主軸であるが
やはりこの作品の展開が凄くて
なんと男は毛深い女に毛を剃るよう頼まれる。
はじめはスネ毛、腕毛、ワキ毛・・・・
最後は?という 少しずつ段階的に
剃毛の行為はエスカレートしていきます笑。
思春期の男の子が
同級生の女の子の毛を剃っていくという
少し方向性を間違えれば
完全なエロ同人なんですが笑
この作品の主軸はあくまで
「コンプレックス」にあるので
ギリギリ大丈夫です笑。
③コンプレックスとは?
物語終盤、剃毛の最終は
「あそこ」に移っていくんですが笑
最後の最後に来て
男はひとつの結論を出すことになります。
毛深くてもいいじゃん
自信を持ちなよ。
俺もツルツル気にしないから!
結局そうなんだと自分も思います。
コンプレックスなんて「自分の中」で
考え込んでも大抵解決しないんですが
「コンプレックス」を「相手」に認めてもらえば
もう「コンプレックス」じゃあないんですよね。
「コンプレックス」は「自分の弱点」
と考えられがちですが、個人的には
根本は「相手に見られたくない弱点」であり
実は「自分」ではなく「相手」基点によるもの
ではないかと強く思います。
今回の作品で言えば
「相手のコンプレックス」が
「自分の憧れるもの」であり
そういう構図で話が進む中で
最終的には「自分のコンプレックス」へ話が移る。
「自分基点」から「相手基点」に移り
最後は「自分基点」に戻る。
実はかなり優れた物語なのかもしれない。
「毛」で無くても良かったと思いますが汗。
~注意点~
①変態
まあどんなに見所紹介しても
「毛」なんでね笑。
物語は「コンプレックス」起点で
特に「エロ」は前面に出していないし
直接的な性表現も出ないので
そこは大丈夫なんですが。。。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
「スイートプールサイド」を一言で言うならば
「毛を剃ってくれない?」
ごめんなさい。
一言で言うとやっぱり「毛」です笑。
でもコンプレックスに
真摯に向き合っている漫画なので
決してテーマは「エロ」ではない。
コンプレックスという「自分基点」を
「自分に無いものを持つ人に憧れる」
という方向で「相手基点」に移行し
最後は戻って「自分基点」で
テーマを解決する本作品。
それでもやっぱり毛を剃る描写は
フェチに溢れすぎて「なんかエロい」。
それはきっと本作品の「真摯なテーマ」と
「話の題材」がかけ離れていて
「違和感」を感じるからでしょう。
だって・・・「毛」・・ですもん笑。
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