ベタ004「こどものすなおさに大人のこころが強く動かされる」

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【ベタ解説】

涙・感動などの「感情」は様々なパターンがあり
嬉しさ、悲しさ、切なさ・・複雑で説明のつかない気持ちも多い。

そのひとつに、こどもの「純粋無垢」という要素は
「感動」というジャンルにおいて絶大な力を持つ。
これはもう鬼に金棒。
いや、こどもにうまい棒といったところか。


【ベタストーリー】

 妻が亡くなって1年。苦しくも娘のマリアの誕生日が命日だった。マリアは俺とふたりで幸せなのだろうか。この1年何を望んできたのだろうか。
 そんな感情を心に抱きながらマリアが5歳の誕生日に、妻と3人で行こうとかつて約束していた流れ星の見える町へ旅行に訪れていた。
 夜空に見える満天の空と時折に落ちる流れ星を見つめながら、俺はマリアにひとつの質問をした。

<俺> 
「あのなマリア。流れ星が落ちている間にお願いごとをするとな、願いが叶うんだぞ。」
「いちばん欲しいものでいいんだぞ。マリアはなにをお願いするんだ?」

<マリア>
「おほしさま・あっちの遠くにね・落ちたの」
「だからね。お願いしてもね・・・マリアのところにね・・来ないの・・」

<俺>
「・・・・・」
「そんなことないぞマリア。マリアが欲しいものをお願いしていいんだぞ」


 目を丸くして話を聞いたマリアはしばらく俯く。
 そして何か思いついたように、流れ星の落ちる方向を指さしながら話し始めた。


<マリア>
「ながれぼし・マリアのところ・来ないから」
「だからね・・おほしさまが落ちる・・あっちにね・・おねがいするの」

「ママがあっちにいるの。きょうはとっても寒いからね・・おほしさまがとっても光ってね・・ママをあっためてーっておねがいするの」
<俺>
「マリア・・。」

 マリアは自分よりも、流れ星が落ちる他人のことを願った。星は自分には落ちずにどこかに落ちる。その「どこか」に祈ろうとするマリアの気持ちは優しく暖かい。
 嬉しそうでありながらも、どこか少し悲し気な表情のマリアを抱きしめながら・・自分でも驚くほどあふれる涙を止められずにいた・・。

To Be Continued
~マンガのベタ004「こどものすなおさに大人のこころが強く動かされる」~

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