本日のマンガ紹介は 「イキガミ」です。
○作者 間瀬元朗
○出版社 小学館
○掲載誌 週刊ヤングサンデー
○発表期間 2005-2012
○巻数 全10巻
■あらすじ
国家繁栄維持法(通称「国繁」)
この法律は平和な社会に暮らす国民に対し、「死」への恐怖感を植え付けることによって「生命の価値」を再認識させる事を目的としている。国民は、この法律によって誰にカプセルが注入されたかを知ることができない。カプセルの確率は1000に1の割合。カプセルは体内で破裂し、対象者の命は消える。対象者は、死亡24時間前に、通知を受ける。
藤本 賢吾(ふじもと けんご)は、そんな対象者に逝紙(イキガミ)という死亡予告書を配達し、対象者に24時間の死亡予告を伝える仕事をしている。本人はこの仕事を誇りに持つが、この時世に対して疑問を持っていくことになる・・・。
~ジャンル分類~
ヒューマンドラマ漫画
~作品要素~
世界観(world)
法による死亡予告テーマ(theme)
ヒューマンドラマ引力(catchy)
命の期限国家繁栄維持法により
24時間以内に死を宣告する
といった極限状態を漫画内に作り
人間の命の尊さや大切さを
伝えていくヒューマンドラマです。
物語の主人公は
逝紙を届けられてしまった対象者だが
「届ける側」としての視点で
藤本賢吾も物語に関わってくる。
ストーリーとしては
①藤本が逝紙を届ける
②対象者が事件を起こす
③藤本と上司が物語を総括
こんな感じです。
~見所ポイント~
①国家繁栄維持法
24時間以内という
命の期限をテーマにしているところに
この漫画の根本が掛かっています。
24時間という期間を登場人物に与え
そこでその人間が最後にどういった行動をとるか
どういった人間の尊さが感じられるか
ここが、本作品の一番の見所ポイントです。
基本的に一話完結型で、
コミック1冊に大体二つのエピソードです。
ですのでどの巻からも見れる作品ですね。
~注意点~
①全体的な雰囲気
24時間という期間の中での人間ドラマが
「感動」や「深み」を誘う見所なんですが
個人的には薄く感じ好きになれませんでした。
「薄い」というよりは
「クサい」というかなんというか
センスや伝え方が好きになれなかった。
例えば少しそのセンスというものを紹介。
そしてこの出来事について話す
逝紙を「届ける側」の藤本賢吾と
その上司のあるひとコマ。
う~ん・・・。・・ん~・・・・。
ここまで漫画で嫌悪感を感じることはない。
上画像の最後の上司の台詞を聞いて寒気がしたら
この作品はオススメできないです。そこは注意。
たぶん自分が嫌悪感を感じてしまう理由はわかる。
逝紙を届けている人間が
死に向かっていく対象者について
「他人事のように総括する」というのが
嫌悪感を感じてしまう大きな理由。
だってそうだと思うんです。
こんな危険な法律を制定しただけでも
「通知に関わる人間」というのは責任がある。
それなのに逝紙の通知をしている人間が
「通知された人間」の人生を語る。
この構図が決定的に嫌いなのだと思います。
この作品の世界観の設定において
「届けた人間」には
「届けられた人間」を語る資格なんて
絶対ないと思うんですよね。
「もう、お前なにもしゃべるな」って
思ってしまうのだと思う。長文すみません。
②設定というより過程?
この国家繁栄維持法については
「現実味」がないという気はありません。
むしろ漫画作品として面白いアイデアだと思う。
ただ本作品の「国家繁栄維持法」に
国民が納得し過ぎていたり
この法律が制定される過程の描写が
何一つ描かれていなかったから
リアルさに欠け内容も薄く感じてしまった。
「国家繁栄維持法」の制定までの背景などが
語られていくと作品として大分印象も違うはず。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
「イキガミ」を一言で言うならば
「命の価値を問う人間ドラマ」
すみません。あまり好きになれなかった作品。
嫌悪感を感じる作品は自分としては珍しい。
最後に一言。。
この作品の設定には文句は無いけど
設定の状況下にいる人間にリアルさがない。
個人的好み度 18%
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