マンガ紹介「シドニアの騎士」

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本日のマンガ紹介は 「シドニアの騎士」です。

○作者 弐瓶勉
○出版社 講談社
○掲載誌 月刊アフタヌーン
○発表期間 2009年 – 2015年
○巻数 全15巻(新装版:全7巻)


■あらすじ
 奇居子(ガウナ)と呼ばれる生命体によって太陽系が破壊された1000年後の未来。種の存続を賭けて繁殖と生産を維持しながら宇宙を旅する「播種船(はしゅせん)」を建造した人類は、太陽系を脱出して移民可能な惑星を求め航海していた。
 谷風長道(たにかぜ ながて)は祖父と2人で暮らしていた。祖父の死から3年が経ち、食料が尽きた為、米泥棒として捕まる。そこで、谷風はシドニア船員としての登録記録がなく、祖父は15年以上前に死亡扱いになっていた事を知る。谷風を引き取りに来た落合(おちあい)に連れられ、谷風の身元引受人になる艦長の小林から、ここが播種船「シドニア」であり、最下層部で今まで暮らしてきた事を知る。人型兵器「衛人(もりと)」の操縦士訓練生として抜擢され、星白閑(ほしじろ しずか)や科戸瀬イザナ(しなとせ いざな)と正規操縦士を目指す。(wikipedia引用)


~ジャンル分類~ 
宇宙SFアクション漫画 

~作品要素~ 

世界観(world)

太陽系破壊後の宇宙

テーマ(theme)

Love & Peace

引力(catchy)

リアリティ


異形生命体(ガウナ)に地球を破壊され
太陽系を失くした人類が移住先惑星を探す
播種船(はしゅせん)シドニアの物語。

そこで人類の種が存続し世界を創るシドニア。
そして人類の敵である生命体ガウナとの闘い。

出典:コミック「シドニアの騎士」第1巻

『BLAME!』でその独特な世界観を描いた
弐瓶勉による宇宙SFアクション

非常に緻密な描写、宇宙SFが圧倒的で
その壮大な世界観は引き込まれます。

TVアニメ化。2021年にはアニメ映画化。


~見所ポイント~ 

①人類(シドニア)VS奇居子(ガウナ)

物語の舞台や世界観はシンプル。

ある時地球に落ちて太陽系を破壊した
謎の生命体ガウナ。その姿は異形の人型。

出典:コミック「シドニアの騎士」第2巻

その生態はまだ不明な点が多く
シュガフ船というガウナ自身で構成される船や
破壊されると胞子状に分裂する姿など
ガウナの圧倒的な存在は引き込まれます。

一方、人類の播種船(はしゅせん)シドニア
ガウナ対抗兵器のひとつである衛人(もりと)。

人型の戦闘機で宇宙空間で描かれる
その姿と戦闘シーンは圧巻。
ロボット漫画としての魅力も秘める。

出典:コミック「シドニアの騎士」第1巻

主人公の谷風長道(たにかぜ ながて)は
その類まれない戦闘機操縦の腕前で
衛人(もりと)の操縦士としてガウナに挑む。

②宇宙SFの見事な構図

宇宙SFアクションとしての
スケール,アクション,画力,構図etc
とにかく描かれるその世界観は圧倒的。

出典:コミック「シドニアの騎士」第5巻
出典:コミック「シドニアの騎士」第5巻

実は前半後半で画風や背景トーンなど
結構変化がハッキリしているんですが
個人的には前半ぐらいの画力がイチオシです。

その「画力」を見るなら5巻でお確かめを。

③NEWヒロイン「つむぎ」

本作後半から登場する融合個体つむぎ
彼女は人類とガウナの種を融合して生成され
人類側でガウナ討伐に加わる女の子。

その姿は異形ですが、精神は純真無垢な女の子
そして主人公の谷風長道と恋に落ちる事になる。
異形の姿で顔を赤らめるシーンは印象的で笑。

出典:コミック「シドニアの騎士」第13巻

この異形のNEWヒロイン「つむぎ」は
シドニアの騎士を語る上では外せなく
もれなくかわいいその「愛らしさ」は必見。

2021年アニメ映画のキャッチコピー
身長差15メートルの恋」でもあるよう
本作でもこの「つむぎ」の魅力は見所。

④リアリティ

SFでは特に求められる「リアリティ」
「リアリティ」は決して「現実的」という
意味合いではなく、その世界観を表現する
土台や「引き込む力」と思っています。

そういう何気ない描写や日常で
その「世界観」に引き込むシーンは
本作でもしっかり存在し引き込まれる。

例えば戦闘服の「尿管カテーテル」とか。

出典:コミック「シドニアの騎士」第1巻

本作では生体カテーテルが自動的に
人体の尿管に入り込む描写が1巻で描かれる。
(う~ん。この描写は作者の性癖を感じる)

確かに長い宇宙空間の戦闘時での
「トイレとかどうしているのか」とか
こういう些細な描写でのリアリティは良い。

あとは宇宙船シドニアが高速移動など
重力が急激に変化する際、居住区では
各所に手すりが設けられ人達は安全帯
手すりにつなぐ事で危険を回避する。

出典:コミック「シドニアの騎士」第2巻

あんまり説明じみないけれど
こういう日常場面でその世界観土台を
描いていくその「リアリティ」は影の魅力。

~注意点~ 

①キャラの表情、個性

この作品を読んでいて思ったのは
「エヴァンゲリオンの反対」だなぁと。

世界観設定はそっくりなんです。
「異形の生命体と闘う人類」

しかし面白い程に真逆なのは

エヴァンゲリオン
キャラの個性重視でSF設定は煩雑に対して

シドニアの騎士
キャラの個性が薄味でSF設定は見事な感じで。

キャラの個性表現や表情が薄味なので
まあ少年漫画で言えば「CLAYMORE」です笑。

そういうキャラ描き分けや個性の薄味加減は
結構読み進めるなかでは注意点だと思う。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

「シドニアの騎士」を一言で言うならば

人類(シドニア)VS奇居子(ガウナ)

CLAYMORE」のようなキャラ個性
ベルセルク」のような異常な描き込み
GANTZ」のような異形生命体バトル

宇宙SF漫画として素晴らしい魅力に溢れ
世界観に引き込む力を秘めた作品です。

その反面唯一の注意点が「キャラ個性」
この1点で結構クセが強くて読みづらくて。

それでも魅力が溢れていることに変わりなく
宇宙SF漫画としてはめちゃくちゃ面白く
全15巻と読みやすい長さなのでおススメです。


個人的好み度
 83%

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