本日の映画紹介は
「サイダーのように言葉が湧き上がる」です。
○原作 フライングドッグ
○監督 イシグロキョウヘイ
○脚本 イシグロキョウヘイ 佐藤大
○音楽 牛尾憲輔
○製作 シグナル・エムディ/サブリメイション
○封切日 2021年7月22日
■あらすじ
俳句以外では思ったことをなかなか口に出せない少年チェリーは、ヘッドホンで外部との接触を遮断して生きている。ある日彼は、見た目のコンプレックスをマスクで隠す少女スマイルとショッピングモールで出会い、SNSを通じて少しずつ言葉を交わすように。そんな中、バイト先で出会った老人フジヤマが思い出のレコードを探し回る理由を知った2人は、フジヤマの願いをかなえるためレコード探しを手伝うことに。一緒に行動するうちに急速に距離を縮めていくチェリーとスマイルだったが、ある出来事をきっかけに2人の思いはすれ違ってしまう。(映画.com引用)
フライングドッグ設立10周年記念
による長編アニメーション映画の本作。
物語は人前で話すことに苦手意識を
持つ少年チェリーと
歯にコンプレックスを抱えて
マスクを常につける少女スマイルが
田舎のショッピングモールで
出会うことから始まるひと夏の恋物語。
~映像・音楽~
監督は「イシグロキョウヘイ 」
アニメだと「四月は君の嘘」などの
監督を務めたことが有名かと思います。
音楽は「牛尾憲輔」
映画「聲の形」でも音楽担当をされていて
個人的にすごく注目している音楽作曲家。
本作でも主題歌含めて田舎町の恋物語
ノスタルジー×ラブストーリーとも言える
良い雰囲気の音楽は魅力的でした。
~演出・時間~
上映時間は87分。
舞台は田舎のショッピングモール。
そこで出会う互いにコンプレックスを
抱えた男女が魅せるひと夏の恋物語。
テンポも悪く無いし
爽やかで夏らしい演出に光るので
非常に見やすくちょうど良い上映時間。
~見所ポイント~
①田舎のショッピングモール
まず注目なのは世界観の舞台が
「田舎のショッピングモール」という点。
本作では昔から現在に至るまでの
「ノスタルジー」×「ラブストーリー」という
とても良い組み合わせのテーマを描く。
その舞台に時代の移ろいや対比
何より複合施設で様々な人がすれ違う
「田舎のショッピングモール」を選択したのは
個人的には好きな作品舞台で楽しめました。
②ひと夏の恋物語
恋物語に、これまた良い組み合わせの
「コンプレックス」という部分を象徴的に
わかりやすいキャラメイクで描き
とても夏らしい爽やかな少年少女の恋心を
素敵に描いていたと思うしシンプルな良さ。
また少年チェリーの趣味が「俳句」であり
思ったことを口に出せないが言葉では表せる
というコンプレックス部分を象徴するもので
ちょっと珍しく印象的なキャラ要素でした。
③色彩豊かなアニメーション
色彩豊かで彩度の高いその色合いや
線の主張が強いそのアニメーションが
とても特徴的で観ていて飽きなかった。
空や雲の描き方がすごい
ジョジョっぽいと思ったのは自分だけか。
調べても関連性は無いっぽいですが。
~注意点~
①言葉が湧き上がる
タイトルにあるように
サイダーのように「言葉が湧き上がる」
の言葉が湧き上がる肝心のシーンが
個人的にはもう少し盛り上がりが欲しくて
唯一ここがちょっと残念でした。
もう少しここはアニメーションや
音楽、声優演技含めて盛り上がりが
もうひと押し欲しかったなぁと。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
「サイダーのように言葉が湧き上がる」
を一言で言うならば
「山桜 かくしたその葉 ぼくはすき」
上手く声には出せないが
言葉なら表現できる「俳句」が好きな
少年チェリーが詠んだこの一句。
何気なくSNSに上げたこの一句、想いは
少女スマイルに届く瞬間が来るのだろうか。
様々な伏線や想いが綺麗に回収され
少年チェリーから言葉が湧き上がる終盤。
爽やかで淡くノスタルジーを感じる
ひと夏の恋物語として良作アニメ映画です。
5つ星評価
コメント