本日の映画紹介は 「かがみの孤城」です。
○原作 辻村深月
○監督 原恵一 ○脚本 丸尾みほ
○キャラデザ 佐々木啓悟
○音楽 富貴晴美
○制作 A-1 Pictures
○封切日 2022年12月23日
■あらすじ
中学生のこころは学校に居場所をなくし、部屋に閉じこもる日々を送っていた。そんなある日、部屋の鏡が突如として光を放ち始める。鏡の中に吸い込まれるように入っていくと、そこにはおとぎ話に出てくる城のような建物と、6人の見知らぬ中学生がいた。そこへ狼のお面をかぶった少女「オオカミさま」が姿を現し、ここにいる7人は選ばれた存在であること、そして城のどこかに秘密の鍵が1つだけ隠されており、見つけた者はどんな願いでもかなえてもらえると話す。(映画.com引用)
直木賞作家:辻村深月の原作小説の
「かがみの孤城」をアニメ映画化。
不登校で居場所を無くした安西 こころが
ある日自宅の鏡に吸い込まれてしまい
不思議な城に迷い込んでしまうことに。
そこでは同じ年齢層の男女6人がいて
不思議な城に集められた男女7人は
お面をかぶった少女の「オオカミさま」
から、願いを叶える方法を告げられる。
~映像・音楽~
監督は「原恵一」
「クレヨンしんちゃん オトナ帝国の逆襲」
「河童のクゥと夏休み」など。
クレヨンしんちゃん初期作品の脚本・監督
を多く担当されていて、個人的には推しの
「オトナ帝国」の監督ということで期待大。
音楽は「富貴晴美」
主題歌は優里の「メリーゴーランド」
~演出・時間~
上映時間は116分。
話の大筋は不登校となって
居場所を無くしてしまった
安西 こころが、ある日…
自宅の鏡に吸い込まれ
異世界の不思議な城に迷い込む。
そこで同じ年齢層の男女6人に出会い
何でも願いを叶える鍵と扉を
探すように、お面をかぶった少女の
「オオカミさま」に告げられる。
原作がファンタジーミステリーの
直木賞作家:辻村深月の小説で
脚本・構成は安定感があった印象。
~見所ポイント~
①孤城に集められた7人の謎
やはり本屋大賞も取った小説で
内容がファンタジーミステリー…
ということで内容はアニメ映画向き。
孤城に集められた7人の「共通点」が
少しずつわかり、物語の結末に
近づいていく様は引き込まれます。
また、こういう「異世界」ものの
多くは現実世界に戻るまでが
一種の「カタルシス」になるが
本作は時間指定で現実世界に戻り
ある期限設定まで異世界と現実を
行ったり来たりするという設定は
割と新鮮で面白かったです。
②いじめ、居場所、想い
本作テーマのひとつに
「いじめ」「居場所」など
不登校というキーワードから
人の「想い」のようなものを
物語に溶け込ませて展開している。
中学生という設定、画風からも
割とライトな展開と思いましたが…
想像より現実的で重い内容もあり
原作小説は未読でしたが
年齢層は割と高めでも見れる印象。
~注意点~
①わかりやすさ重視
原作小説未読なので
あくまで本作アニメ映画に対して。
ミステリー調の物語は楽しめたが
割とヒントが丁寧でシンプルなので
ちょっと展開がわかりやすく物足りず。
「え?」という驚きの前に
ほとんど展開が予想出来てしまい
もう少し謎を残しても良かったかと。
②展開の地味さ
これはもう「孤城」という
世界観設定でしょうがないんですが…
現実世界と異世界を行き来でき
かつ、孤城のファンタジー感が
かなり薄くワクワク感が薄いので
ミステリー調で序盤は良いが
中盤あたりの「退屈感」は惜しい。
もう少しアニメ映画としての
「盛り上がり」「アクション」の
一場面でもあれば見ごたえも
大分変わったんじゃないかと思う。
③作画レベルは…
制作:A-1 PicturesはTVアニメは
割と無難に安定感ある印象でしたが
アニメ映画になると、なんとも
パッとしない印象なのは自分だけ?
本作の作画、数少ないアクションや
動きのあるシーン作画のレベルは
映画水準とは思えない印象でした。
④声優は平均水準以下
声優については残念ながら
主軸の7人の中学生の声優陣は
詳しく調べてなく、凹凸もあるが
平均水準以下に感じました。
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「かがみの孤城」を一言で言うならば
「孤城に隠されたミステリー」
直木賞作家の作:辻村深月の
ベストセラー小説原作のアニメ映画化。
ファンタジーミステリーという
アニメ映画向きな内容に
安定した製作陣ということもあり
バランス型のアニメ映画の印象。
絵柄や雰囲気は小中学生向きだが
見てみるとわりと大人でも楽しめる
深みや謎解きもあり万人向け。良作。
5つ星評価
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