本日のマンガ紹介は 「星屑ニーナ」です。
○作者 福島聡
○出版社 エンターブレイン
○掲載誌 ビームコミックス
○発表期間 2010-2013
○巻数 全4巻
■あらすじ
星屑(ほしくず)クンはヒトではなく、ロボット。ニーナは可憐な女子高生。ふたりは出会い、そして、一緒に暮らした。この世界は不思議がいっぱい! 宇宙から降る雷魚、会話するサルの玩具、当たった3億円の宝くじ、そして、過ぎ行く時間。1年後、5年後、10年後。ロボットは歳を取らないが、人間はあっという間に老いていく。物語は、神の速度で、未来へと進んでいく! 『少年少女』、『機動旅団八福神』に続く、福島聡の新シリーズ“タイム・スキップ・コメディー”それが『星屑ニーナ』!(amazonより引用)
~ジャンル分類~
タイムスキップSF漫画
~要素方程式~
[ロボ]×[JK]×[急速時間]
=[愛]×[夢]×[人間]
可憐で自由に生きる女子高生のニーナは
ある日道端で電池が切れそうな
星屑(ロボット)に出会う。
電池が切れない為に
「主人になってください」と頼む星屑に対し
最初は断るニーナであったが
二人はその後も同じ時間を過ごしていく。
ポップな世界と独特な視点
全体的に漂う詩的なキャラクター達。
一言でいえば「変」な漫画で
それでも全4巻とは思えない濃さがある。
何よりこの作品内での「時間軸」の
「飛び方」は異常とも言えるほど
「速かったり」「遅かったり」と
その世界観には酔うばかりです。
~見所ポイント~
①独特世界観
宇宙から来たと言う
「宇宙雷魚」を「空飛ぶスクーター」で
追いかける女子高生ニーナ。
作品内の世界観は
非常にポップで魅力溢れる世界観で
まるで「夢の中」にいるような
感覚を魅せてくれる作風です。
天真爛漫なニーナとロボットである星屑の
何とも言えない会話や行動は本当に魅力的。
②究極のタイムスキップ
この作品を読んでいると
本当に「夢の中」にいる感覚になる。
どうしてここまで「夢」を感じるのかと言うと
それはこの作品の一番の魅力でもある
「タイムスキップ」なんだと思います。
ニーナと星屑の出会いからすぐに
作品内では驚く程の「時間軸」を素早く進み
実はなんと第1巻ですでに
「ニーナ」はその人生を終えてしまう。
これが「タイムトラベル」ではなく
「タイムスキップ」と称される神髄。
人間はその「時間軸」に
逆らうことなく老いていく一方
ロボットの星屑はその「時間軸」を
記憶し続けてさまよい続けます。
この作品では星屑が次々と
流れる時間軸のなかで主人を見つけ
様々なキャラクター達と出会い、別れ
多くの経験をしていきます。
そんな急速に進む時間軸は
それこそ「人間」には耐えることはできず
そのスピードは「違和感」から「夢の中」へと
移り変わるからなのかもしれません。
③詩的な雰囲気
作品内ではニーナを始めとして
詩的な雰囲気を持っていて特に
「台詞」はパンチ力を持っています。
これは是非読んで感じて欲しい部分です。
④女性キャラが美しい
個人的に漫画としてオススメしたいのは
「女性キャラ」の作画が綺麗で美しいという点。
まあこれは結局「好み」が
出てきてしまうんですが・・汗
ポップな世界観でありながらも
作画としての美しさも素晴らしく
女性キャラの魅力は太鼓判を押します!!
~注意点~
①とは言っても「変」な漫画
「変」な漫画です。
これは「褒め言葉」でもあり「注意点」でもある。
「変」と感じてしまう理由は
やはりこの作品の魅力でもある
「タイムスキップ」と独特な「世界観」が
漫画としての「わかりやすさ」に
逆行するように物語が進むこと。
「わかりやすい」からと言って
「単純」とは限らないし
「わかりにくい」からと言って
「深い」とは限らないけれど
この作品は・・・
「わかりやすいけど深いような」と
「わかりにくいけど単純なような」が
ぐるぐる混じりながら展開されるような
感覚があるからかもしれない。
何を言っているか
自分もわからなくなってきましたが笑
まあこの感覚はやはり作品を
読んでみないと伝えられない。
非常に感覚に頼る漫画だと思う。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
「星屑ニーナ」を一言で言うならば
「ボクと結婚してください」
「愛」だとか「時間」を
「人間」や「ロボット」を通して
独特な「世界観」と
急速な「タイムスキップ」で展開される本作品。
そんな「夢の中」にいるような
「感覚」は唯一無二の魅力がある。
「漫画」は「ある一瞬」を
「コマ」として切り取って
それを繋げることで「時間」を作り
初めて「物語」が動き出す。
そういう視点でこの作品を読んでみると
「ミクロ」な視点では
コマの演出が多彩で繊細で
その「丁寧さ」に驚かされる一方で
「マクロ」な視点では
どんどんと「タイムスキップ」が
発生する「粗さ」にも驚かされ
その「丁寧さ」と「粗さ」の高低差が
読んでいて乗り物酔いになったような
それこそ「夢の中」にいるような感覚に
なるような神髄なんだと思います。
そういう意味では読んでいて
「夢を見たくなる」ような作品だし
「世界観に引き込む」という意味では
爆発的な威力を持っています。圧巻。
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