本日のマンガ紹介は 「ソラニン」です。
○作者 浅野いにお
○出版社 小学館
○掲載誌 週刊ヤングサンデー
○発表期間 2005-2006?
○巻数 全2巻
■あらすじ
井上芽衣子。23歳。社会人2年目になって、会社を辞めました。種田成男。スポーツ新聞でカットを描く仕事をしています。これは、社会に出てちょうど一年がたった、芽衣子さんと種田の、小さな恋の物語なんです。(ヤングサンデー公式HPより)
~ジャンル分類~
若者世代の日常漫画
~要素方程式~
[夢]×[現実]×[恋]
=[友人]×[バンド]
ストーリーの柱となるのは、
大学を卒業後、なるがままに社会人になった
いわゆる青春は過ぎたけど社会人としては・・
という微妙な時期である二人の恋物語。
作者「浅野いにお」さんの
究極的なリアルと文学的センスで
綺麗な作品に仕上がっています。
ソラニンとは
じゃがいもの芽の毒で有名な毒素のことです。
「まだまだ毒を抱える若者」という意味が
「ソラニン」という本作品には含まれています。
作品の特徴を現しているいいタイトルです。
~見所ポイント~
①夢を持つこと、持たないこと
夢を持つことの素晴らしさ。
持たないことの賢明さ。
どっちが正解とか不正解とか
そういう部分っていうのは・・
誰かから言われることではないし
社会人すぐの世代には耳が痛い。
そんな青春から少し進みだし
光が薄くなっていくような時期の
微妙で、繊細で、難しくて、
やりきれない感じを味わさせてくれる瞬間。
題材や、日常感、会話は驚くほど普通で
普通の社会人、普通の恋人
すべてにおいてリアルな描写で感心する。
ケンカ後の種田と芽衣子さん。
お互いの関係が
セリフや表情などですごくわかってしまうし
二人で部屋にいるときのシーンなんて
リアルすぎでドキドキする。。
②驚異的な画力と背景描写
なんといっても本作品を見ていると
登場人物たちの表情がすばらしいことに気づく。
表情だけで伝えることって
漫画の要素でも重要なことでもあって
その点ではすごく秀でていると思う。
芽衣子さんの表情
ひとつ取ったって表現は無限にある。
もともと浅野いにお作品は
どんどんと画力向上が感じられるけど
特に本作品では「表情の魅力」が際立っていた。
本当に「マンガ的」な画が上手いと思う。
③文学的要素が濃い作品
次世代作家と言われるだけあって
漫画内での小説のような文章は
自分としてはかなり好きな部分。
「ハチミツとクローバー」なんかにも通じる
詩的な文章表現とか手法というのは個人的に好き。
間違いなく「作家性」の強い漫画家だと思う。
~注意点~
①恋愛マンガとして
恋愛マンガとして見ると
現実的なストーリーなので
あまり急激な展開やドキドキの描写はない。
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「ソラニン」を一言で言うならば
「ソラニン世代の小さな恋」
社会人になって、ただただ過ごす芽依子と
働くもバンド活動を夢見てる種田。
なにかまだ青春の中にいるような二人の
リアルで現実性の強い日常が魅力です。
宮崎あおい主演の実写映画も是非注目。
11年後の「ソラニン」を描いた新装版も注目。
ソラニン世代というのは
自分が勝手に作った造語ですが
ソラニン世代って感じです本当に。
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