本日のマンガ紹介は 「君に届け」です。
○作者 椎名軽穂
○出版社 集英社
○掲載誌 別冊マーガレット
○発表期間 2005年~2017年
○巻数 全30巻
■あらすじ
北幌高校に入学した黒沼爽子は、陰気で見た目が暗く、周りからは「貞子」と呼ばれ、クラスに馴染めないでいた。しかし、クラスメイトの風早翔太や吉田千鶴、矢野あやねなどの協力を得て周囲の誤解を解き、友情・恋愛などを通して成長していく。
~ジャンル分類~
純愛少女成長漫画
~要素方程式~
[純粋]×[成長]×[友情]=[純愛]
引っ込み思案で
人と話すのが苦手な黒沼爽子が
クラスの人気者で
いつも爽やかな風早翔太に恋をする物語。
常に憧れの存在であった風早君に
いつしか恋心を持つようになり
いつしかその抱いた強い恋心をを
彼に「届けたい」と思うようになる。
そんな純粋な爽子の気持ちが
風早君に届くまでの過程と
爽子自身の成長物語と
二人の親友との友情物語が魅力の作品。
~見所ポイント~
①黒沼爽子
本作品の主人公でもある黒沼爽子は
根暗で引っ込み思案で
クラスからその名前をもじられて
「貞子」というあだ名を付けられている。
まずはこの黒沼爽子の魅力が
作品全体の見どころと言ってもいいです。
一言でいえば「ピュアホワイト」と
友達から言われるほどの純粋さです笑。
純粋という部分に加えて
「気を遣いすぎている」という面も強い。
例えば友達の輪に入ったときに
「自分がいていいのか」と思ったり
クリスマス会に参加していいか
お父さんに確認をしてみたり
もうどのページを見ても
気遣い屋で純粋で「良い子」なんです!
裏を返せば「こんな子はいない」
みたいに思うかもしれない。
それでも爽子の「純粋な気持ち」
というものは一番の見どころだと思う。
物語中には爽子のお父さんが
娘の成長に悲しさを感じるシーンが出ますが
まさに「爽子という娘の成長」を
読者も噛みしめているというか
恋愛漫画以上に「爽子の成長場面」に
感動してしまう感じが強いです。
②風早翔太
クラスの人気者で、イケメンで
性格も爽やかで、誰とでも仲良く・・・
爽子が憧れるのも無理もない程に
キラキラしている男が風早翔太だ。
爽子の魅力に続き、風早君の魅力も
本作品では見逃せません!
基本的には爽子の心理描写や葛藤がメインなので
風早君の方の心理描写は少ないものの
堂々とした名言や、恥ずかしすぎるセリフも
サラッと言ってしまう所はさすがです。
特にこの「風早スマイル」は
世の女性(特に爽子)を魅了してしまいます笑。
少女漫画界随一のテンプレ爽やかキャラに認定。
③純粋な気持ちを届けたい
この作品の最大最王道な「少女漫画」の魅力は
「人が人を好きになる瞬間や変化」
という部分をすごく丁寧に描いている点です。
実際、爽子が風早君への憧れから
恋愛感情に変わるのは序盤で
それから風早君に気持ちが届くまでに
実に10巻という長さを費やしている。
その10巻の間には
爽子が思う風早君への気持ちや変化を
ものすごく丁寧に純粋に描いているので
その内容の濃さと丁寧さに驚きます。
爽子がピュアホワイトだからこそ
「好きになる過程」が丁寧であって
言いかえれば
「好きになる速度が遅い」
「段階を踏んでの恋愛感情」
ここが他の恋愛漫画よりも
抜きんでている魅力の根源だと思う。
④親友の二人
序盤で仲の良い友達になる
「矢野あやね」「吉田千鶴」の二人。
こちらの友情話も魅力的であり
この二人の恋愛模様もまた見所。
爽子が「純粋な両想い」だとするならば
矢野が「本当に好きになる事」を描いていて
吉田が「叶わない片思い」を描いていて
何ていうか、恋愛模様の種類も
何気に使い分けていたりします。
こちらの二人のストーリーも
本作品の注目部分で見所です。
~注意点~
①届いた後はどうするの?
強いて言うなら「届いた後」は
どうなっていくの?という一点。
タイトル自体が「君に届け」
というだけあって、届いた後の物語は
どうなっていくのか・・・
「届いて終わりで良かったのでは?」と思われても
しょうがないかなぁと感じる部分は結構あります。
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「君に届け」を一言で言うならば
「純粋な気持ち!君に届け」
根暗で引っ込み思案の
爽子の純粋な恋愛と成長物語。
「人が人を好きになる瞬間」と
「人が想いを届ける瞬間」までを
ものすごく丁寧にゆっくりと描いていく本作品。
「君に届け」というタイトルも
作品の特徴を踏まえたいい響きで、
少なくとも10巻までの内容に関しては
少女漫画のお手本のような名作を約束します。
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