本日のマンガ紹介は 「寄生獣」です。
○作者 岩明均
○出版社 講談社
○掲載誌 月刊アフタヌーン
○発表期間 1990-1995
○巻数 コミック全10巻 完全版全8巻
■あらすじ
ある日、空から多数の正体不明の生物が飛来してきた。その生物は人間の頭に寄生して全身を支配し、他の人間を捕食するという性質を持っていた。寄生後も見た目は人間そのものであった彼ら「パラサイト」は、高い学習能力から急速に知識や言葉を獲得し、人間社会に徐々に紛れ込んでいった。(wikipediaより引用)
~ジャンル分類~
生物哲学SF漫画
~要素方程式~
[人間]×[SF]×[パラサイト]
=[生物の価値]×[哲学]
「寄生獣」では
人間とパラサイトという中間に位置する主人公が
生物の価値という壮大なテーマに答えを出す。
こういうテーマは
そう簡単に答えが出るものではないが
この漫画ではきっちりと最後に
その「答え」をまとめて描いている。
基本的に高校生活から
少しずつ寄生された人間との対決や
生物を問う問題提起を
寄生した「ミギー」と一緒に考えていきながら
物語は進んでいきます・・・。
当ブログでも紹介した
「デビルマン」もテーマに非常に似ているが
結論は大きく違うし両方の見比べはおススメ。
~見所ポイント~
①テーマに対する答え
やはり「生物の価値」という問題に対して
たった10巻で答えを出しているこの漫画は
非常に評価が高い漫画だと思います。
人間は何のために、生きるとは何なのか
それを寄生獣は位置づけてしまう。
人間を勉強中のミギー。
献身ということが理解できないと話す。
最終巻近くの最後の言葉群は
本当に素晴らしくて圧巻の一言。
作者:岩明均先生の哲学観や言葉群は
言うならば「真摯」の一言。好感が持てる。
このような作者の哲学、テーマの答えが
最終巻近くにどんどん溢れてきます。必見!!
②ミギーがかわいい笑
最初はですね
右手に寄生したミギーなんて
伸びるし、形は変わるし
なんか気持ち悪いんですが
段々と主人公が、また読者の側も
何故かミギーに愛着が沸いて来てしまうんです。
分裂について
実際にやってみて話すミギー。
ちょっとかわいい笑。
これは見ていて誰もが感じるかも。
主人公だけではなく
読者自身もミギーを怪物として見る事に
違和感を、愛着を感じてしまうのは
まさに「生物の価値」というテーマにおいて
重要な意味を持ってくるのかもしれない。
③作家性の強さ
作者:岩明均先生の作品を読んで感じるのは
やはり作家性の強さ。文章力の巧みさに限ります。
生物価値というテーマに対する答えは
やはりこの「文章力」に支えられている。
~注意点~
①不気味でグロい
もともと本作品の画風自体は
淡々として淡い描写なんですが
描かれる内容は結構グロく
逆に画風が淡々としているのに
描写はグロテスクなこのギャップが
独特の不気味さを感じる理由かもしれない。
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「寄生獣」を一言で言うならば
「生物の価値を知る教科書」
生物価値を問う哲学テーマに対して
作者の作家性と真摯な物語で描いた本作品は
世間でも評価が高いマンガだと言える。
同テーマで当ブログでも紹介の「デビルマン」。
似たようなテーマでありながら結論は大きく違い
二作を同時に読んでみることをおススメします。
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