本日のマンガ紹介は 「包帯クラブ」です。
○原作 天童荒太 作画 オオイシヒロト
○出版社 小学館
○掲載誌 ヤングサンデー
○発表期間 2007年
○巻数 全2巻
■あらすじ
ある晴れた木曜日の午後、右手に包帯を巻いている少女ワラは、病院の屋上でディノという男の子に出会う。包帯を見たディノは「リスカか?」と言い放つが、これは間違いであって、ワラは「みんなそうやってすぐに決め付ける」「何も考えずに・・」と傷ついてしまった。
ディノは決め付けでワラを傷つけてしまったことに、冗談なのか本気なのか、「ここには血が流れてるんや、その痛みに耐えるのに、俺はしんどうなってる」と半ば飛び降りようと金網に登る。「だったら血をとめればいいじゃない」とワラが一喝。「面白いアイデアや・・」ディノはそこに包帯を巻いてみた・・・。
~ジャンル分類~
青春学園ドラマ漫画
~要素方程式~
[包帯]×[青春]×[原作小説]
=[心の傷]×[ドラマ]
以前に「包帯クラブ」の映画を見ました。
本作品の漫画もあったんだとブックオフで知り
105円コーナーで買って読んだのがきっかけ。
原作は小説になります。
「傷を持った場所に包帯巻きます」
というコンセプトのもと
「巻けます」「効きます」「人によります」
というキャッチフレーズのHPを仲間で作成。
HPアクセスで依頼が来たら包帯を巻いていく。
その画像をデジカメで撮影して依頼人に送る。
そんなことを「包帯クラブ」として活動していく。
なんとも青臭い活動ですが
結構引き込まれる設定で印象に残る題材だ。
~見所ポイント~
①テーマの面白さ
「傷ついた場所に包帯を巻いていく」という
「青春」×「心の傷」×「包帯」
この要素の掛け合わせのアイデアが好きで
個人的にこのセンスは傑作だなぁと思う。
活動内容としては依頼人の他、登場人物たちの
過去の傷などにも関わってくるので
あらすじにもある「ディノ」の過去には注目です。
②ディノの存在
本作品の登場人物は・・
「ディノ」「ワラ」「タンシオ」
「リスキ」「テンポ」「ギモ」
主にこのメンバーが活動していくのですが
包帯クラブ結成のきっかけを作った「ディノ」は
特に本作品内でも重要なメンバーになってくる。
この「ディノ」という男の子は
テントの中でバクチクを破裂させたり
雪の振る校庭をパンツ一枚で走るとか
奇怪な行動をしていくんです。
その奇怪な行動をする理由は
「世界で苦しむ人の痛みを少しでもわかりたい」
思春期の頃に感じたことのある感情。
「自分の環境は幸せすぎる」
「苦しんでる人がいる中で自分は目をつぶってる」
すごく青臭いんですが決して全否定はできなくて。
重いテーマや包帯を巻くというアイデア。
小説はどんな雰囲気なんだろう。
そんな等身大なディノが感じる気持ちは必見。
~注意点~
①内容が薄い
内容は一見、重いテーマなんですが
内容は限りなく軽いです。
そもそも全2巻なのでしょうがないですが
ディノの過去はまだしも
「ワラ」「タンシオ」
「リスキ」「テンポ」はひとまとめに
「ギモ」に関しては本編では影が薄すぎで笑。
内容の詰め方が不自然なので
おそらく打ち切りなのか・・?
②青臭いストーリー
「包帯巻いて何になるの!」と
この漫画内でも問題視されますが笑
確かにこういう青臭さが鼻につくと
この作品は好きになれないかもしれない。
特別重い雰囲気では描かれていないので。
また、自分はこれを読んでいて
「包帯を色んなところに巻いて迷惑だろ」
と現実的な部分を思ってしまいましたが
本作品内でもそれを世間に叩かれます笑。
ここはある意味良かったですね。
何気に現実問題も関わってきて
必ずしも「おとぎ話」では終わらなかった。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
「包帯クラブ」を一言で言うならば
「巻けます」
「効きます」
「人によります」
アイデアにすごく惹かれます。
タイトルも内容も素敵な魅力を持っています。
内容は正直、テーマの重さに似合わず
限りなく薄いというか軽い作風なんですが
青春物としてすごくテーマは良いと感じます。
映画の方が全然重い雰囲気でした。
漫画では軽い作風でした。あとは小説はどうか。
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