本日のマンガ紹介は
「映像研には手を出すな!」です。
○作者 大童澄瞳
○出版社 小学館
○掲載誌 ビッグコミックス
○発表期間 2016~
○巻数 既刊5巻(2020年1月30日現在)
■あらすじ
芝浜高校に入学した浅草みどりは、アニメを作るのが夢だが一人では行動できない小心者。浅草は友人の金森さやかを誘い、アニメ研の見学に行くが、そこで水崎ツバメと遭遇。親から反対されているが、アニメーター志望の水崎は浅草と意気投合。金森は教師にハッタリをかましてまるめこみ、「映像研」を立ち上げ、バラックの部室も確保。アニメで「最強の世界」を作るため、3人は奮闘する。(wikipedia引用)
~ジャンル分類~
アニメ制作高校漫画
~要素方程式~
[アニメ]×[高校]×[設定ヲタク]
=[映像研]×[危険]×[独創性]
芝浜高校一年生。
アニメ制作をしたい設定ヲタクの浅草は
中学からの同級生である金森と
高校で出会うアニメーター希望の水崎の
個性豊かな3人がアニメ制作に立ち向かう
アニメ制作を題材にした漫画作品です。
※下記画像
左:浅草 / 右上:金森 / 下:水崎
作者自身が美術学校卒でアニメーションを学び
本作品は漫画連載デビュー作ということで
作品自体はどっしりとアニメーション題材で
特にアニメにおける「設定画」「世界観考証」に
並々ならぬ愛を感じる作品。
2020年にアニメ&実写化のダブルメディア化。
~見所ポイント~
①3人が織りなすアニメ制作
アニメ制作を目指す、設定ヲタクの浅草は
中学同級生の金森と一緒に「映像研」という
新しい研究会を設けることになる。
もともとアニメ研は存在していたが
高校で出会うアニメーター志望の水崎が
家庭の理由からアニメ研入部を禁じられた為
得意の話術と強引さで
金森が「映像研」を立ち上げた。
面白いのは同じアニメーター志望でも
設定画ばかりで設定ヲタクの浅草と
キャラ画や動きを得意とする水崎が
互いに苦手な部分を補うような
コンビネーションを魅せる展開。
また金森はアニメ自体に興味は無く
浅草のマネジメントや管理能力が得意
二人をまとめるポジションな面も面白い。
②アニメーションとは
題材はアニメ制作。
もちろん作品内ではアニメの話が主軸で
「風車」制作のシーンでは「動き」について。
作成した「風車」の動きに違和感を感じ
その理由に「動き」があるが「風」がないと。
アニメーションの「動き」は
その舞台や背景描写でリアル観が
構築されていく事を実感する。
作品内ではこういった「脳内設定」が
現実と区切り無く混ざり合って演出されるので
独特で不思議な読み心地が味わえます。
上記画像は演出を加えた完成形。
奥のビルが壊れ滝が流れ落ち
様々なものが舞うことで「風」を可視化。
アニメーションという「動き」に対して
ストーリーごとに「答え」を見つけていく。
③とにかく設定ヲタクな題材
主人公の一人の浅草が「設定ヲタク」であり
おそらく作者自身もかなりの「設定好き」だと
確信できるほどに内容が設定に寄っています笑。
各巻必ず登場する見開きの「設定画」は
昨今の連載漫画作品ではおそらく珍しい。
「設定」「世界観考証」好きにはヒット。
アニメーターの世界観や設定画などを
眺めるのが好きな人には是非おススメ。
~注意点~
①とにかく独特な読み心地
「高校生」「アニメ」「映像研」など
どこかアニメ題材の青春群像劇に見えるが
ちょっと本作品は異質で独特です。
とにかく描かれるほとんどの
「会話」「テンポ」「文字量」「キャラ」
どれも独特でとにかく読みにくい。
この「読みにくさ」はかなりのものなので
試し読みなどで確かめてから購入を・・。
②ひとつの物語として
アニメ制作が題材なのは確かなんですが
ひとつの物語として目標や起点づくりなどが
独特なテンポと展開で霞んでしまっていて
正直漫画作品としての「面白さ」が
上手く機能していない勿体なさがある。
もともと「アニメ設定」が好きすぎて
内容が偏ってしまっているのが前提にあるので
読みにくさも相まって評価しづらい作品。
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「映像研には手を出すな!」を一言で言うならば
「設定ヲタクなアニメ制作群像劇」
2020年にアニメ&実写化で一躍有名に。
内容は「アニメ制作」という表向きですが
根本は「アニメ設定」を煮詰めたような作風。
独特な雰囲気やテンポは覚悟が必要。
それぐらい「読みにくさ」が気になる作品。
それでもアニメにおける「設定」については
作者の並々ならぬ力の入れようと見応えがあり
のんびりとその世界観に酔いしれる方は是非。
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