本日の映画紹介は 「君は彼方」です。
○原作・監督・脚本 瀬名快伸
○キャラ原案 はぁおん
○音楽 斎木達彦
○製作 デジタルネットワークアニメーション
○封切日 2020年11月27日
■あらすじ
幼なじみの新(あらた)のことが気になっている澪だったが、気持ちを伝えられずに微妙な関係を続けていた。ある日、些細なことでケンカをしてしまった2人。仲直りをしようと思った澪は、雨の中を新のもとへ向かうが、その途中で交通事故に遭ってしまう。そして意識を取り戻した澪の目の前には、見たこともない不思議な世界が広がっていた。(映画.com引用)
幼馴染の新(あらた)への好意を伝えられぬまま
交通事故にあってしまった澪(みお)は
あの世とこの世の狭間の世界へ飛ばされる。
この世に戻るには生前の「強い気持ち」を
思い出すことが条件だが、澪はなかなか
新への「想い」を思い出せずに錯綜する。
~映像・音楽~
監督は「瀬名快伸」
脚本、監督だけでなく声優など経験もあり
第10回山形国際ムービーフェスティバルにて
2014 短編アニメ映画『奇魂侍』山形県知事賞。
あまり過去歴などは少ないが
声優経験がある監督は珍しいのでは?
本作が長編アニメーション初監督。
音楽は「斎木達彦」
~演出・時間~
上映時間は95分。
交通事故にあうまでの時間で
おそらく30分くらい使っていたので
序盤の間延び間がある。
さらに言うとその後の不思議な世界での
ストーリー、見せ場、アクションなど
どの演出も間延び間を強く感じるので注意。
95分とは思えない「長さ」を感じた。
~注意点~
今回は見所ポイント割愛。
正直あまりおススメできる見所なく
どうして面白くなかったのかまとめてみる。
①基本要素の水準の低さ
例えばアニメ映画の重要要素を
「作画動画」「キャラ」「シナリオ」「音楽」「声優」
と5つに分けたとするとどれも低水準な印象で。
強いて言えば「声優」は割と豪華キャストもいて
まだ及第点にも感じる場面はあったんですが
特に「作画動画」「シナリオ」は致命的でした。
②作画動画のレベル
個人的に一番の低水準は「作画動画」です。
作画は正直「劇場」レベルではないと思うし
表情の移り変わりが薄く、声優演技との
ミスマッチが目立って世界観に入り込めず。
動画も安く感じるCGエフェクトなどが
ものすごくB級感を醸し出していて寒い。
全体的な予算不足感が強い印象です。
③シナリオの出来
本作は原作・監督・脚本を
すべて同一人物が務めており
かつ初の長編アニメーション。
シナリオはわかりやすく言うなら
「君の名は」と「千と千尋」を混ぜたような
不思議世界のボーイ・ミーツ・ガール。
ただし、キャラの過去や背景然り
そもそもの物語主軸の「目的」「動機」が
あまりに薄くて全く世界観に入り込めず
このシナリオで95分は退屈の極みでした。
物語も水に浸る列車や黒い影
澪の最後の選択場面など・・
千と千尋とのダダ被りは冷や汗もの。
④最後に書きなぐってみる
色々語りたい、ツッコミたい点は多いけど
それでは長文になってしまうので(汗)
気になった点を箇条書きでまとめて終わります。
『シナリオ』
●幼馴染の新の過去や背景描写がぬるい
●澪が友達の女の子を気遣い一歩引く描写が
ほとんど無く、三角関係の描写は少しは欲しい
●映画としての山場はどこだったのか・・
わからない程に平坦で薄味な展開が辛い
『作画動画』
●とにかく落ちて落ちて落ちまくる作品
その作画動画のセンスが絶望的だった
●表情の移ろいや動きが悪くて
声優演技とのミスマッチが本作最大の欠点
●キラキラや光のCG表現が悪くて
特に背景に出てきた時の安っぽさは強い
『声優』
●ヒロイン澪役の松本穂香さんは
割と演技派に感じたんですが
作画が追いつかず逆にミスマッチで
特に中盤の泣き叫ぶシーンは違和感へ
『ツッコミ』
●幽体離脱を救おうとする霊能者のお姉さんが
物理的な心臓マッサージをしているのは苦笑
●クモのフェードアウトのあの妙な余韻が
頭に残っていて、今後ネタにされそう?笑
●唐突なミュージカルが始まります(涙)
ここは正気の沙汰ではない!!
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「君は彼方」を一言で言うならば
「君は彼方 観客は遥か彼方」
全体的な低水準と
作画動画、シナリオの重大な欠陥。
面白い作品は観客を「世界観へ引き込む」
と位置付けている自分にとって本作品は
その世界観に入り込めないどころか
外に飛び出して「遥か彼方」に飛ばされて笑
遠い場所から眺めていました・・。
2019年、アニメ映画「二ノ国」は
個人的にワースト1位作品に認定したが
本作は2020年ワースト1位になると確信。
5つ星評価
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