本日の映画紹介は
「劇場版 きのう何食べた?」です。
○原作 よしながふみ
○監督 中江和仁
○脚本 安達奈緒子
○音楽 澤田かおり
○配給 東宝
○封切日 2021年11月3日
■あらすじ
雇われ弁護士の筧史朗(シロさん)とその恋人で美容師の矢吹賢二(ケンジ)にとって、2人でとる夕食の時間が日々の大切なひとときとなっている。ある日、史朗の提案で、賢二の誕生日プレゼントとして京都旅行に行くことに。賢二は京都を満喫していたが、道中に史朗からショックな話を切り出されてしまう。この京都旅行をきっかけに、2人はお互いの心の内を明かすことができなくなってしまい……。(映画.com引用)
よしながふみ原作による
同名コミックによる実写映画化。
ゲイカップル×料理×人間ドラマと
色濃いその要素を優しくほっこりと
包んだような本作「きのう何食べた?」
2019年、西島秀俊と内野聖陽の
ダブル主演でドラマが話題になり
2021年待望の実写映画化となりました。
~映像・音楽~
監督は「中江和仁」
脚本は「安達奈緒子」
TVドラマと同じコンビであり
本作映画も安定した雰囲気でした。
音楽は「澤田かおり」
また主題歌はスピッツの「大好物」で
作品雰囲気に合った心地よいサウンド。
~演出・時間~
上映時間は120分。
物語はTVドラマ版から続き
原作では8~10巻程度をベースでしょうか。
シロさんとケンジの京都旅行や
シロさんの実家帰りのストーリーなど
多数の登場人物と料理を織り交ぜながら
人間ドラマを魅力的に描いていく。
映画的なひとつのストーリー立てより
原作雰囲気を活かした演出に寄せていて
小ストーリーを繋げていくその構成は
ちょっと120分が長く感じる面もある。
~見所ポイント~
①万人におススメできる作風
内容が「ゲイカップル」という
その要素に少し立ち止まってしまうが
原作然り実写化作品も問題無し。
その「優しさ」で包み込むような
雰囲気のよい人間ドラマはバランス良く
本作でもとても暖かい気持ちで見れる作品に。
そこに家庭料理や親子関係も入りこみ
純度100%のハートフルストーリーです。
②アドリブ気味の二人
シロさん役の西島秀俊さんと
ケンジ役の内野聖陽さんの演技。
原作雰囲気に沿った演技、どころか…
ところどころアドリブのように楽しみ
微笑む二人の演技は観ていて心地よくて。
ゲイ役を見事に演じ切る内野聖陽さんが
微笑ましい笑いを届けてくれます。必見。
~注意点~
①原作実写化としては大正解だが…
原作実写化としてはたぐいまれな完成度。
そのTVドラマ版の良さを最大限に生かし
あえて映画的な緩急を削いだ結果として
ショートストーリーの詰め合わせ構成が
120分という上映時間は長く感じる印象も。
これは難しい。必ずしも注意点とは言えず。
むしろドラマファンとしては本作の舵取りの方が
実際に映画館の観客の温かい雰囲気を見ていると
正解だったと思えてきて。ここは難しいところ。
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「劇場版 きのう何食べた?」を一言で言うならば
「純度100%ハートフルストーリー」
原作、TVドラマファン以外の方でも
万人におススメできると思える本作。
それほどに色濃いその人間ドラマと
優しさに包まれたその雰囲気は必見です。
「ゲイ」×「料理」×「人間ドラマ」
原作の要素やその雰囲気を演じ切る
西島秀俊さんと内野聖陽さんに拍手。
周りを固める演者さん達も隙が無い。
純度の高いハートフルにはずれ無し。
5つ星評価
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