本日の映画紹介は 「雨を告げる漂流団地」です。
○監督 石田祐康
○脚本 森ハヤシ/石田祐康/坂本美南香
○音楽 阿部海太郎
○制作 スタジオコロリド
○封切日 2022年9月16日
■あらすじ
姉弟のように育った幼なじみの航祐と夏芽は小学6年生になり、近頃は航祐の祖父・安次が亡くなったことをきっかけに関係がギクシャクしていた。夏休みのある日、航祐はクラスメイトとともに取り壊しの進む「おばけ団地」に忍び込む。その団地はかつて航祐と夏芽が育った、思い出の家だった。
航祐はそこで思いがけず夏芽と遭遇し、のっぽという名の謎の少年の存在について聞かされる。すると突然、不思議な現象が起こり、気が付くと周囲は一面の大海原になっていた。海を漂流する団地の中で、航祐たちは力を合わせてサバイバル生活を送ることになるが……。(映画.com引用)
「ペンギン・ハイウェイ」
「泣きたい私は猫をかぶる」など手掛けた
スタジオコロリドによる三作目の本作。
本作は小学校6年の少年少女たちが
ある日団地の建物ごと漂流をしてしまう
不可思議な現象に巻き込まれることで
物語は動き出していく。
~映像・音楽~
監督は「石田祐康」
先に挙げた「ペンギン・ハイウェイ」
なども手掛けるアニメ監督。
柔らかめな人物描写と綺麗な背景など
映像描写については完成度が高い。
音楽は「阿部海太郎」
主題歌は「ずっと真夜中でいいのに。」
最近のアニメ・漫画実写映画の主題歌で
本当に良く聞くようになった印象です。
~演出・時間~
上映時間は120分。
話の大筋は小学校6年生の少年少女が
団地の建物ごと大海原に漂流してしまい
現実世界に戻ることに奮闘するという
ひと夏のノスタルジー×ファンタジー。
テーマだけで言えば団地の建物に限る
「世界観の限定」という制約が強いので
どういった物語展開を魅せてくれるかと
注目しましたが、構成、上映時間については
かなりなが~い見応えの印象が強かったです。
(その理由は注意点で解説します)
~見所ポイント~
①団地という世界観
タイトル、舞台にも選ばれた「団地」
その団地の建物ごと海に漂流という
キャッチーなテーマはすごく惹かれる世界観。
どうして団地の建物ごとへの漂流となったか
漂流後の団地で出会った「のっぽくん」とは。
そんな不可思議な現象に巻き込まれた
幼なじみの航祐と夏芽を主軸に団地漂流を
生き抜いていく少年少女達のサバイバルが
綺麗な映像とともに描かれていく。
~注意点~
①世界観の限定
団地の建物で海を漂流という
「世界観の限定」による本作は
そのデメリットが目立ってしまった。
団地漂流のミステリーの紐解き
リアルとファンタジーのバランス
物語展開の繰り返し、ループ感
世界観やテーマは非常に魅力的でしたが
それ以上に上記に挙げた要素が上手いこと
絡んでいなかった印象で物足りない。
そのため2時間の上映時間の割には
内容の充実感を感じられなかったのが
本作見ていて一番感じた印象でした。
②サバイバル×ファンタジー
漂流する団地で奮闘するサバイバルで
団地建物と別のものをワイヤーで繋ぐ
シーンがあるんですが・・・
団地の建物ごと引っ張る1本のワイヤーは
さすがに宇宙エレベーターで計画する繊維でも
無理なんじゃないかと笑、これは違和感。
サバイバル奮闘ではそのリアル感は
かなり大事な部分だと思うなかで
リアル描写は結構甘く気になってしまった。
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「雨を告げる漂流団地」を一言で言うならば
「団地ノスタルジー×漂流ファンタジー」
団地の建物ごと海を漂流するという
すごくキャッチーで面白いテーマの選択。
団地というノスタルジーなひと夏と
少年少女のサバイバルという冒険もの。
ノスタルジー×ファンタジーという要素は
少年少女作品としてはお手本のような作品だが
ミステリーやファンタジーの要素が
上手く絡まず展開の充実感が薄かった印象。
このあたりがもし「カチッ」とハマれば
テーマは最高だっただけに惜しいの一言。
5つ星評価
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