本日のマンガ紹介は 「数学ガール」です。
○作者 原作 結城浩 作画 日坂水柯
○出版社 メディアファクトリー
○掲載誌 コミックフラッパー
○発表期間 2008年~2009年
○巻数 上・下巻
■あらすじ
数学を愛するミルカさん。彼女に憧れる「僕」。
「僕」を慕ってくれる後輩テトラちゃん。
3人が描く単位円の軌跡は、やがて・・・・。
~ジャンル分類~
数学・青春・恋愛漫画
~要素方程式~
[数学]×[恋愛]×[三角関係]
=[参考書]×[わかりやすい]
原作小説「数学ガール」の漫画化作品。
数学を愛し「僕」に問題を
出してくれるミルカさんと
「僕」を慕って、数学を
教えてもらいにくる後輩のテトラちゃん。
この二人との不思議な三角関係
そして何り数学という要素が
そこに入り込んでくるのが一番の特徴の作品。
独特な雰囲気です。
原作小説は未読ですが
恋愛漫画に数学が入り込んでくるアイデア
というか、その設定が非常に面白く
数学好きな人は楽しめるかも。
読む順番などは原作小説を
読まないと!?という内容では
無いので漫画からでOKです。
基本的に高校生活の中で
「僕」の視点で話は進み
不思議な三角関係と数学の手ほどきが
繰り返される作品。
ちなみに自分はかなり数学好きで
いつか数学の世界にのめり込んで
未解決問題に挑戦しようか・・・
なんて本気で思ったりしてる奴です笑。
数学は本当に面白い学問だと思っています。
~見所ポイント~
①数学という要素
とにもかくにも、まず恋愛ストーリーに
「数学」が入り込んでくるこの特徴が
抜群に目を引くし、すごく面白い。
作品内に登場するレベルは
高校とたまに中学レベルです。
また、ノート書き風で登場する数式
参考書のような説明量・手ほどきなど、
非常にわかりやすく丁寧に描かれていて
そこにまず好感が持てる。
フィボナッチ数列をn式で表そうと奮闘する僕。
これは高校レベルですね。
絶対値の|-x|が-xになる理由を考えるテトラ。
これは中学レベルです。
正直、恋愛:数学=2:8ぐらいな作品ですが、
数学の内容は本当にわかりやすくて楽しめる。
コミック帯には
「理系男子最強の萌え」と書かれるとおり
理系の人の方が楽しめるかも。
というか数学が好きじゃないと・・。
②面白い三角関係
この三角関係がまた、なかなか面白いです。
数学の問題を出して
「僕」と話を交わすミルカさんと
数学が好きで
ミルカさんからの問題を楽しむ僕と
「僕」を慕い数学を
教えてもらおうとするテトラちゃん。
この不思議な三角関係と恋愛模様は面白い。
恋愛模様に関しては作風自体が淡々としているので
色濃くないしそんなに面白いわけではないです。
③数学好きな作風
作画担当の人は数学好きでは無さそうですが
この原作者が数学好きなことが
ひしひしと伝わってくる気がします。
出てくるストーリーの半分が数列なところは
作者が数列好きな部分を感じる気がします笑。
(自分も数列好きで神秘を感じています)
また、数学好きの性というか
根本とか面白さ、美しさ、そういう面も
しっかりと描かれているしわかりやすい。
例えば・・・
●数学の定義、言葉の厳密さ
●恒等式と方程式の意味、文字の意味
●式の展開の面白さ、テクニック
●考え抜くことの大切さ
まあ色々と「数学トーク」
というか「数学あるある」というか
とことんそういう面が
台詞や数式で登場してくるのでワクワクします
つまりは、ただ単に
数学の手ほどきが繰り返されるのではなく
「数学そのもの」の話や疑問などが
作品にでてくるのは数学好きにはたまらない。
あともう一点!
数学がすきな人って
結構疑うというか
習ったことを自分で確かめたり
またはわかるまで考え抜いたりする。
また、誰かに教えたいし
誰かと論義したいこともある。
この作品で言うと
そういう点が綺麗に構図に出ていて
「数学を教えたい」っていう要素が、
「僕」と「テトラ」ちゃんの関係に表れている。
「僕」はテトラちゃんに
質問をしたり、アドバイスしたり
数学の奥深さや楽しさを丁寧に教えている。
「数学で論議したい」っていう要素は
「僕」とミルカさんに表れている。
「僕」はミルカさんから問題を出され
それについて話し合ったりする。
お互いに問題を考えたりもする。
こんな風にこの構図が何気にいい味を出していて
それに作者の数学好きを綺麗に表現できている点が
すごく良い。非常に無駄なくまとまってる作品。
また、ある意味数学が苦手な人は
「テトラ」ちゃんの中学レベルを
数学が好きな人は
「ミルカ」さんの高校レベルなんて風に
この構図が、実はレベル別に
楽しめるようにもなっているのも魅力。
~注意点~
①理系男子のみでお願いします笑
まあ理系でも数学が嫌いな人もいるし
文系の人でも数学が好きな人がいますが
出てくる内容は高校数学なので
多少数学が好きな人でないと仮に理解できても
好きにはなれないと思います。
②淡々としている
非常に淡々としてます。
かなり静かな漫画です。淡々過ぎです笑。
恋愛模様も濃くないし
画風も鉛筆で描いたような淡い感じです。
結果的に、すごく薄い印象が残る作品です。
作品内の「僕」は図書館で静かに勉強していますが
まさに図書館で読んだらちょうどいい音量の作品。
展開もかなり淡々で例えば恋愛漫画で上下巻なら
上巻はある程度の展開
下巻で盛り上がる恋愛場面があるはず。
だけどこの作品に関しては
下巻になっても淡々のまま。
むしろ下巻の方が
ギャグ要素が増えた感じがするので笑
より恋愛模様の印象が薄いです。
まあ数学漫画ですね、これは。。。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
「数学ガール」を一言で言うならば
「静かなる数学と恋愛」
数学の疑問や、根本、美しさ
などの説明が盛りだくさんで
数学の参考書として使えるかも笑。
それぐらいわかりやすいのが魅力。
恋愛模様に関しては印象は薄かったのですが
独特な雰囲気は非常にインパクトがある。
設定は好きです。
ただ総じて考えると結構地味なのかも。
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