本日のマンガ紹介は 「数学ガール」です。
![](https://manga-beta-beta.com/wp-content/uploads/2020/04/数学ガール-213x300.jpg)
○作者 原作 結城浩 作画 日坂水柯
○出版社 メディアファクトリー
○掲載誌 コミックフラッパー
○発表期間 2008年~2009年
○巻数 上・下巻
■あらすじ
数学を愛するミルカさん。彼女に憧れる「僕」。
「僕」を慕ってくれる後輩テトラちゃん。
3人が描く単位円の軌跡は、やがて・・・・。
~ジャンル分類~
数学・青春・恋愛漫画
~要素方程式~
[数学]×[恋愛]×[三角関係]
=[参考書]×[わかりやすい]
原作小説「数学ガール」の漫画化作品。
数学を愛し「僕」に問題を
出してくれるミルカさんと
「僕」を慕って、数学を
教えてもらいにくる後輩のテトラちゃん。
この二人との不思議な三角関係
そして何り数学という要素が
そこに入り込んでくるのが一番の特徴の作品。
独特な雰囲気です。
![](https://manga-beta-beta.com/wp-content/uploads/2020/04/1冒頭.jpg)
原作小説は未読ですが
恋愛漫画に数学が入り込んでくるアイデア
というか、その設定が非常に面白く
数学好きな人は楽しめるかも。
読む順番などは原作小説を
読まないと!?という内容では
無いので漫画からでOKです。
基本的に高校生活の中で
「僕」の視点で話は進み
不思議な三角関係と数学の手ほどきが
繰り返される作品。
ちなみに自分はかなり数学好きで
いつか数学の世界にのめり込んで
未解決問題に挑戦しようか・・・
なんて本気で思ったりしてる奴です笑。
数学は本当に面白い学問だと思っています。
~見所ポイント~
①数学という要素
とにもかくにも、まず恋愛ストーリーに
「数学」が入り込んでくるこの特徴が
抜群に目を引くし、すごく面白い。
作品内に登場するレベルは
高校とたまに中学レベルです。
また、ノート書き風で登場する数式
参考書のような説明量・手ほどきなど、
非常にわかりやすく丁寧に描かれていて
そこにまず好感が持てる。
![](https://manga-beta-beta.com/wp-content/uploads/2020/04/2高校数学.jpg)
フィボナッチ数列をn式で表そうと奮闘する僕。
これは高校レベルですね。
![](https://manga-beta-beta.com/wp-content/uploads/2020/04/3ノート書き.jpg)
絶対値の|-x|が-xになる理由を考えるテトラ。
これは中学レベルです。
正直、恋愛:数学=2:8ぐらいな作品ですが、
数学の内容は本当にわかりやすくて楽しめる。
コミック帯には
「理系男子最強の萌え」と書かれるとおり
理系の人の方が楽しめるかも。
というか数学が好きじゃないと・・。
②面白い三角関係
この三角関係がまた、なかなか面白いです。
数学の問題を出して
「僕」と話を交わすミルカさんと
数学が好きで
ミルカさんからの問題を楽しむ僕と
「僕」を慕い数学を
教えてもらおうとするテトラちゃん。
この不思議な三角関係と恋愛模様は面白い。
![](https://manga-beta-beta.com/wp-content/uploads/2020/04/4恋愛場面.jpg)
恋愛模様に関しては作風自体が淡々としているので
色濃くないしそんなに面白いわけではないです。
③数学好きな作風
作画担当の人は数学好きでは無さそうですが
この原作者が数学好きなことが
ひしひしと伝わってくる気がします。
出てくるストーリーの半分が数列なところは
作者が数列好きな部分を感じる気がします笑。
(自分も数列好きで神秘を感じています)
また、数学好きの性というか
根本とか面白さ、美しさ、そういう面も
しっかりと描かれているしわかりやすい。
例えば・・・
●数学の定義、言葉の厳密さ
●恒等式と方程式の意味、文字の意味
●式の展開の面白さ、テクニック
●考え抜くことの大切さ
まあ色々と「数学トーク」
というか「数学あるある」というか
とことんそういう面が
台詞や数式で登場してくるのでワクワクします
つまりは、ただ単に
数学の手ほどきが繰り返されるのではなく
「数学そのもの」の話や疑問などが
作品にでてくるのは数学好きにはたまらない。
あともう一点!
数学がすきな人って
結構疑うというか
習ったことを自分で確かめたり
またはわかるまで考え抜いたりする。
また、誰かに教えたいし
誰かと論義したいこともある。
この作品で言うと
そういう点が綺麗に構図に出ていて
「数学を教えたい」っていう要素が、
「僕」と「テトラ」ちゃんの関係に表れている。
「僕」はテトラちゃんに
質問をしたり、アドバイスしたり
数学の奥深さや楽しさを丁寧に教えている。
![](https://manga-beta-beta.com/wp-content/uploads/2020/04/5テトラちゃん.jpg)
「数学で論議したい」っていう要素は
「僕」とミルカさんに表れている。
「僕」はミルカさんから問題を出され
それについて話し合ったりする。
お互いに問題を考えたりもする。
![](https://manga-beta-beta.com/wp-content/uploads/2020/04/6ミルカさん.jpg)
こんな風にこの構図が何気にいい味を出していて
それに作者の数学好きを綺麗に表現できている点が
すごく良い。非常に無駄なくまとまってる作品。
また、ある意味数学が苦手な人は
「テトラ」ちゃんの中学レベルを
数学が好きな人は
「ミルカ」さんの高校レベルなんて風に
この構図が、実はレベル別に
楽しめるようにもなっているのも魅力。
~注意点~
①理系男子のみでお願いします笑
まあ理系でも数学が嫌いな人もいるし
文系の人でも数学が好きな人がいますが
出てくる内容は高校数学なので
多少数学が好きな人でないと仮に理解できても
好きにはなれないと思います。
②淡々としている
非常に淡々としてます。
かなり静かな漫画です。淡々過ぎです笑。
恋愛模様も濃くないし
画風も鉛筆で描いたような淡い感じです。
結果的に、すごく薄い印象が残る作品です。
作品内の「僕」は図書館で静かに勉強していますが
まさに図書館で読んだらちょうどいい音量の作品。
展開もかなり淡々で例えば恋愛漫画で上下巻なら
上巻はある程度の展開
下巻で盛り上がる恋愛場面があるはず。
だけどこの作品に関しては
下巻になっても淡々のまま。
むしろ下巻の方が
ギャグ要素が増えた感じがするので笑
より恋愛模様の印象が薄いです。
まあ数学漫画ですね、これは。。。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
「数学ガール」を一言で言うならば
「静かなる数学と恋愛」
数学の疑問や、根本、美しさ
などの説明が盛りだくさんで
数学の参考書として使えるかも笑。
それぐらいわかりやすいのが魅力。
恋愛模様に関しては印象は薄かったのですが
独特な雰囲気は非常にインパクトがある。
設定は好きです。
ただ総じて考えると結構地味なのかも。
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