本日のマンガ紹介は 「女の子の食卓」です。
○作者 志村志保子
○出版社 集英社
○掲載誌 Cookie
○発表期間 2005-2012
○巻数 全8巻
■あらすじ
「食べ物」をテーマにした、1話10ページから20ページほどのショートストーリー。食べ物と女の子の感情や想い出を絡ませて進む1話完結のオムニバス形式。(wikipediaより引用)
~ジャンル分類~
女の子フーズメモリー漫画
~要素方程式~
[思春期]×[女の子]×[食べ物]
=[記憶]×[物語]
主に思春期の女の子の
切ない物語を「食べ物」を基点として
一話完結、オムニバス形式で
語っていくのが本作品の特徴です。
内容としては
「失恋」「片思い」「家庭関係」「恋人」
などなど
結構「重い」「切ない」の割合が
強めなテイストになっています。
食べ物を基点とする「アイデア」が
この作品の題材でもある「思春期女子」に
どのように物語に溶け込んでいくのか
そういうところが注目です。
~見所ポイント~
①思春期女の子の気持ち
物語に出てくる登場人物は思春期の女の子が
メインで(大学生、社会人もいますが)
その期間特有の
「苛立ち」「心情変化」「恋愛」「悩み」
などなど
かなり切ない心情を「食べ物」を基点に
非常に綺麗に描き切っています。
作品一話一話のバリエーションの多さ
展開の充実感、心情の描き方が洗練されていて
どの一話を読んでいても引き込まれます。
これは本当に技量があっての事だと思います。
②食べ物基点の魅力 その1
思春期の女の子の心情を
「食べ物」を基点として描く本作品。
なぜこの作者さんは
「食べ物」を基点としたんだろう。
個人的に思うのは
この作品の魅力にも直結していて主に二点ある。
まずひとつは
「食べ物」を「記憶」として扱っている点。
「食べ物」って結構その時の
感情とか心情に直結する要素が強くて
この作品でも思春期の女の子の
「記憶」として表現する手段になっている。
昔に同級生の男の子を助けるために
持っていた「ミントガム」だとか
小学校時代の同級生と別れ話になった後に
その頃を思い出す「いなり寿司」とか
おそらく男女問わずある「食べ物の記憶」を
今回は「切なさ」メインの心情で
上手く物語に溶け込ませているので
読んでいて「物語の深み」を感じます。
③食べ物基点の魅力 その2
もうひとつの魅力は
「食べ物」を「変化」として扱っている点。
「食べ物」って成長につれて
「好み」が変化したりするものですが
この作品では思春期女の子の
「心情変化」として表現する手段になっている。
ちょっと気になるパン屋勤務の
男性をきっかけに知った
「ライ麦パン」をおいしいと思い始めるも
その人に裏切られ
「やっぱりすっぱい」と「でも食べていく」と
今までの一連の出来事を悔やみながらも
強く進もうとする微妙な心情だとか。
そういう「思春期の心情変化」を
「セリフ」や「場面」として捉えずに
あくまで「食べ物」を基点に表現しているので
不思議と心に入り込んでくる。
~注意点~
①女の子マンガ
まあ絵柄も内容も完全に
「少女マンガ」なんでそこが注意ですかね。
ただ内容は「少女マンガ」とは
少し違う雰囲気なので割と読みやすい部類です。
強いて言うなら「女の子マンガ」?
思春期の女の子のお話です。
あとは「思春期の女の子の心情変化」
という題材が延々と繰り返されるので
「ストーリー性」とか「展開」を
求めるようなマンガではないのでご注意です。
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「女の子の食卓」を一言で言うならば
「食べ物基点の女の子物語」
思春期の女の子の
「切なさ」「心情変化」という題材を
すべて「食べ物」を基点にして
綺麗に読みやすく描いていく本作品。
「食べ物」が持つ
「記憶」と「心情変化」という二点要素を
非常に上手く「手段」として
物語に溶け込ましている珠玉の短編集。
ある一話で
「○○ちゃんの家の麦茶は甘いんだね~」
というシーンがあるんですが
自分の当たり前が崩されるという
「視野の広がり」だったり「他人への興味」だとか
こういう所までも「食べ物」が持つ要素と
「思春期」が持つ要素が似ていて
非常に相性が良くて
ここを題材基点に選んだ理由も
何だか納得できた感じです。
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