マンガ紹介「惑星のさみだれ」

この記事は約6分で読めます。


本日のマンガ紹介は 「惑星のさみだれ」です。

○作者 水上悟志
○出版社 少年画報社
○掲載誌 ヤングキングアワーズ
○発表期間 2005~2010
○巻数 全10巻

■あらすじ
 主人公の雨宮夕日は、ある朝、言葉を喋るトカゲから世界を救う騎士の1人として選ばれたことを告げられる。最初は無関心な夕日だったが、敵である魔法使いが生み出した泥人形の襲撃を受ける。死を覚悟したその時、守るべき姫である朝日奈さみだれに救われ、更に常人ならざるさみだれの気概に触れたことで彼女に忠誠を誓う。ここにひとつの主従が生まれ、この時から夕日の戦いが始まった。  

~ジャンル分類~ 
邪道王道ファンタジー漫画 

~要素方程式~ 
[世界滅亡]×[魔法使い]×[掌握能力]
=[王道]×[邪道]


世界を簡単に砕いてしまう兵器
「ビスケットハンマー」を有する魔法使いと

それを阻止する精霊アニマ&獣の騎士団12人
との壮絶な戦いが主軸。

出典:コミック「惑星のさみだれ」第1巻

朝起きるとベッドには
しゃべるトカゲがいて、そのトカゲに
「世界滅亡を阻止する戦いに参加して」と言われ

なんやかんやでその戦いに
参加する事になった雨宮夕日

世界滅亡のビスケットハンマーを阻止する
朝日奈さみだれの二人がメインのお話。

ジャンルは完全に王道ファンタジーで
魔法使い、特殊能力、恋愛など・・・

ものすごく「少年漫画」しているけど
ちょっとどこか外している作品。

~見所ポイント~

①邪道な王道?

世界観の説明としては

①世界滅亡を企む
魔法使いによる兵器「ビスケットハンマー」
②世界滅亡を阻止する
精霊アニマと12の獣騎士団


この二点が本作品を
構成する二大勢力であり物語の根本。

出典:コミック「惑星のさみだれ」第3巻

しかしこの作品がちょっと傾いているのは
精霊アニマを宿す朝日奈さみだれの
敵の魔法使いを阻止しようとする動機が

「世界滅亡を阻止する」ではなく
「私が世界を壊すから、他の奴には壊させない」
という点にある。

出典:コミック「惑星のさみだれ」第5巻

つまり本作品は先に挙げた
2大勢力にひとつ加わって
「世界滅亡は阻止するが、私が世界を砕く」
という3大勢力にあります。

もちろんその「動機」は
「世界滅亡を阻止する」為の獣騎士団は
終盤まで知る事はないのだけれど
ここがかなり邪道で面白い。

つまりは最終的には

精霊アニマ率いる一団が
敵である魔法使いを倒した後に
今度はその精霊アニマを宿す
さみだれの世界滅亡を阻止する流れになる。

ここは他の漫画とは一線を引いていて
まあよく考えてみるとむちゃくちゃです笑。

②魔法使いの泥人形

ビスケットハンマーという
兵器を作りだした敵の魔法使いアニムスは
泥人形」という化身を造る能力で
主人公たちに立ちはだかります。

出典:コミック「惑星のさみだれ」第5巻

はじめに出会った泥人形は1つ目の怪物でしたが
次第に目の数は増えて
それに応じて強さも上がってくるという
非常に分かりやすい敵の構図は見ていて面白い。

目の数は全部で12
12体の泥人形との戦いは本作品の盛り上がり所だ。

③掌握能力

敵の魔法使いに対抗する手段として
12の獣の騎士団は指輪を装着する事により
掌握能力」という念能力を使えるようになる。

はじめは、念能力を空気中に
具現化させるぐらいの力であるが

12の騎士団それぞれの性格や特性を生かし
各能力も変化をしてきて各キャラ特有の
特殊能力を体現して敵を倒していく点は魅力。

出典:コミック「惑星のさみだれ」第8巻
出典:コミック「惑星のさみだれ」第6巻

物語中
「やっぱり必殺技は名前を付けて叫ばないと」
と連呼する

登場人物達を見るに
すごく「小中学生が考えたRPG」のような
ワクワク感というか、そういう部分を
登場キャラ達が楽しむ世界観は注目!!

~注意点~ 

①登場人物達の魅力

何というか登場人物達があまりに淡々と
そして独特の会話の間もあって、
登場人物達に「人間味」を感じない感覚が
読んでいて強かったです。

それでいて、感動演出やここぞのセリフに
強みを持たせる構成タイプのせいか
物語中に好きになれたキャラがあまりいなくて
獣騎士団の獣達の方がよっぽど魅力があって
好感が持ててしまった笑。

「登場人物に魅力を感じられなかった」
という重大な欠損を感じてしまい
自分としてはすごく残念でした。
まあこれは個人の感覚によりますが・・・。

②物語の見せ方

全10巻で
すごく卒なくまとまって
綺麗に完結しています。

伏線の回収とか
各キャラの動機とか
王道を真摯に描いています。

ただ、作者が描きたい要素が多すぎたのか
また伝えきれなかったのか

どこか物語の流れが断片的で
読みづらかったり、理解しづらかったりと
単純に「漫画の見せ方」という部分で
少し引っかかってしまうかも。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

「惑星のさみだれ」を一言で言うならば

邪道な王道ファンタジー  

敵の世界滅亡を阻止する
主人公の動機が「世界を救う」ではなく

「自分が世界を壊すから、他の奴には壊させない」
という点は

ものすごくむちゃくちゃで
爽快で、絶大で、邪道で、面白かった。

バトル要素とか、世界観とか
魅力的な要素が多い半面・・・

物語の見せ方や
登場人物の描き方に難があった感じがして
総じて「惜しい!」というような
もどかしさを感じた作品でした。


個人的好み度
 74%

( ゚Д゚)マンガ紹介一覧はこちら( ゚Д゚)



コミックの品揃えが世界最大級の電子書店!
約9000作品の無料読み放題コーナーも充実!
電子書籍で購入なら《ebookjapan》がおススメ

にほんブログ村 漫画ブログ コミックス感想へ  マンガはベタとベタでできている - にほんブログ村
↑リンク先でブログランキングの順位公表中!

コメント