本日のマンガ紹介は
「最強伝説黒沢」です。
○作者 福本伸行
○出版社 小学館
○掲載誌 ビッグコミックオリジナル
○発表期間 2003-2006
○巻数 全11巻
■あらすじ
2002年12月、穴平建設に勤務する現場監督・黒沢は、ふとした事を切っ掛けに自分の人生が余りにも満ち足りていないという事実に気付き、焦りを覚え始めていた。
おりしも44歳の誕生日、その日を誰にも祝って貰えなかった黒沢は「人望が欲しい」という欲求を抱き、これを機に人生を変えようと奮闘する。
紆余曲折の末、後輩らの信任を勝ち得た黒沢の元に次から次へと新たな騒動が舞い込み、図らずも黒沢は様々の修羅場を潜り抜けてゆくこととなる。
~ジャンル分類~
苦悩のおっさん日常漫画
~要素方程式~
[福本節]×[おっさん]×[日常]
=[苦悩]×[苦悩]×[苦悩]
何をもって最強伝説なのか・・・
それは作者も知らないといってますが笑
この作品は、40歳半ばの中年親父が主役です。
「アカギ」「カイジ」の世界観とは全く正反対
日常的な話に、黒沢の苦悩が盛り込まれます。
ジャンルとしては完全な日常漫画ですが
物語後半は、何故かバトル漫画になるので
もうなんというか意味プーです笑。
もはや何ジャンルの漫画なのか、わかりません。
ただ、こんなマンガだけど
馬鹿にできない面白さが、 実はあるんですよ。
~見所ポイント~
①ダメすぎる主人公44歳黒沢
まずは主人公がかなりのダメ人間という点。
このダメ過ぎる主人公のキャラクターに
作者福本氏のドロドロの心理描写が加わり
ものすごくダメな大人である黒沢。
交通整理ロボを持ち帰るシーンなどは
笑えない程「かわいそう」に思えてくる。。。
基本的に福本伸行先生の作品の主人公は
超人的な精神力や行動力を持ち合わせていて
多くの活躍と勝利を展開ごとに重ねていく。
しかしこの作品だけは、本当にどうしようもない
まさに「救いようのない」といった言葉が似合う
強烈なダメ主人公が主役。
本当に強烈な主人公だった。
②9割笑えるギャグ漫画
基本的に、9割方は笑っていいと思います。
実際面白いし、ダメ人間のあまりのダメさを見ていると 笑いをこらえるのは難しい。
そもそも序盤を見ているとギャグが多く
あまりの器の小さい主人公が起こす
心理描写は 爆笑ものですし見ていて爽快。
例えば、からまれた不良たちの仲間の一人の女の子に ドライブに誘われたときの黒沢の心理描写。 (もちろん女の子は、黒沢をおびき寄せるために誘っている)
ストーリー構成も、かなり奇想天外で
特に3、4巻以降からの、謎の展開は・・
どんなに推測が得意な人でも
絶対読めない展開になる。
是非お楽しみを・・。かなり笑えます笑。
③1割は笑えない漫画
この作品が好きな理由は、
もちろんギャグ漫画としての
黒沢が面白いのだけれども
一番の良さは笑えるストーリーの中に
1割ぐらいは、黒沢が叫んでいる
苦悩と絶望に共感してしまうときがあるから。
このバランスがすごく好きなんです。
1巻を見ていると、本当にしょうもない。
しかし見ていると、黒沢を応援したくなってくる。
そして何故か共感し、笑えないときがある。
ここが一番の見所なんです。ここが見所!
④強いメッセージ性
自分はこの作品が、一番福本先生の良さと言うか
個性がぎっちりと詰まっていると思ったんです。
福本先生の漫画要素が
「人情もの」「ギャンブル」「メッセージ」と
主要な3要素が個人的にあると思うその中でも
「メッセージ」という要素において
この作品は非常にインパクトがあった。
コミックス裏表紙にはストーリーで出てきた
名言がひとつだけ抜粋されて載っている。
こういうメッセージが
作者作品内でもピカイチに良いです。
たぶん作者自身もこの作品が
描いていて一番楽しいんじゃないだろうか。
作者は主人公の黒沢を描いていて
泣いたという逸話もありますし。
~注意点~
①ストーリーが破綻
ストーリーがどんどん
意味のわからないものになってきます笑。
正直このストーリー進行には驚く笑。
ついていけない可能性大の作品笑。
②衝撃のラスト
これは賛否両論かも。
自分としては
もともとストーリーが破綻しているので
どんな終わりでも不思議ではないと思いますが
それでもラストは結構衝撃的に終わります。
なので「え~?」と首を傾げる可能性大です。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
「最強伝説黒沢」を一言で言うならば
「44歳中年男の最強伝説」
9割り笑えるんだけど
1割笑えない不思議な作品。
その1割の部分は何なのか・・。
何故感動してしまうのか!?
もう黒沢は読むっきゃない!!
これを読んで笑って、そして感動する!!
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