本日のマンガ紹介は 「すくってごらん」です。
○作者 大谷紀子
○出版社 講談社
○掲載誌 BE・LOVE
○発表期間 2014-2015
○巻数 全3巻
■あらすじ
東京のKDS銀行本社から大和郡山支店に転勤でやってきた元エリート銀行マン・香芝誠。ささくれ立った心をむき出しにして歩いていた香芝が、束の間の清涼を求めて偶然足を踏み入れた先は金魚問屋だった。地元住民たちが楽しむ“金魚すくい”の光景を、最初は気にも留めずにいた香芝だったが……!? 小さな命をめぐる世界一優雅な奮闘を描く次世代コメディ!!(BookLive引用)
~ジャンル分類~
金魚すくい日常コメディ漫画
~作品要素~
世界観(world)
金魚問屋のある田舎町テーマ(theme)
ハートフルコメディ引力(catchy)
金魚すくい
東京エリート銀行員香芝がひとつの失態で
左遷されたのは田舎町の支店だった。
そこで香芝が出会ったのは金魚問屋を営む
王寺店長と金魚すくいの店を持つ生駒吉乃。
エリート街道を転落して鬱々としていた香芝は
生駒吉乃の魅力に惹かれ、数々の出会いを経て
金魚すくいの魅力にも引き込まれていく。
金魚すくいという非常にニッチな内容に
風流な田舎町と綺麗な画力が乗っかって
なんとも不思議な見応えのある作品です。
2021年に実写映画化。
~見所ポイント~
①嫌いになれない香芝誠
本作主人公の香芝誠はエリート銀行員で
冒頭では田舎町を見下し嫌な奴なんですが
金魚や田舎町人達との交流で心は和らぎ
何よりどんどん金魚すくいにのめり込む姿は
どこかクスリと面白く憎めないキャラに。
この香芝誠の魅力は本作品見所のひとつ。
個人的にはセリフ選びが好きで魅力的。
なんだかんだ憎めないキャラってやはり良い。
②金魚すくいは圧巻の描写
もともと本作はニッチな作風に似合わず
画が綺麗で画力の高さが目立つので
金魚すくいの圧巻の描写は引き込まれます。
これはもう「スポーツ」だ!と思えるような
熱い展開やここぞのセリフ演出などは
どこか「ちはやふる」の見応えを思い出す。
この金魚すくい描写は飽きずに引き込まれる。
③王寺店長と生駒吉乃
香芝が田舎町で出会う二人。
ひとりは田舎町で香芝最初の出会い人で
金魚問屋を営むひょうひょうとした王寺店長。
金魚すくいの腕前は相当なものだが
ある過去の出来事をきっかけに人前で
金魚すくいをすることを抑えてしまう。
また香芝がその魅力に惹かれていき
金魚すくいを始めるきっかけにもなった
金魚すくい店を営む生駒吉乃。
田舎町の「現代のかぐや姫」と称される彼女。
彼女の一挙手一投足に翻弄される香芝の姿は
本作でもいい味を出していて面白い。
~注意点~
①ニッチだけど突き抜けない
「金魚すくい」というニッチな題材の割に
それ以外の画力やキャラ、物語展開は普通で
どこか「突き抜けていない」印象が強い。
つまりは一言で言えば「中途半端」な印象。
もうちょっと「金魚すくい」という部分を
漫画としてもっと魅力を引き出せるような
「もう一味」が欲しかったなぁという印象。
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「すくってごらん」を一言で言うならば
「金魚すくい以外は薄味平坦」
金魚すくいというパンチのある題材で
引き込まれる本作品ですが、その他要素が
割と薄味で平坦な読み心地だったのは残念。
田舎町で金魚に出会い癒され成長する
香芝の魅力に面白さを見いだせれば
きっと楽しめる作品になるかと思います。
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