本日の映画紹介は
「るろうに剣心 最終章 The Final」です。
○原作 和月伸宏
○監督・脚本 大友啓史
○音楽 佐藤直紀
○製作 ワーナー・ブラザース映画
○封切日 2021年4月23日
■あらすじ
原作では最後のエピソードとなる「人誅編」をベースに、剣心の十字傷の謎を知る上海マフィアの頭目・縁との戦いを描く。日本転覆を企てた志々雄真実との死闘を終えた剣心たちは、神谷道場で平穏な日々を送っていた。そんなある日、何者かが東京中心部を相次いで攻撃。やがて剣心は、ある理由から剣心に強烈な恨みを持つ上海の武器商人・縁との戦いに身を投じていく。(映画.com引用)
週刊少年ジャンプ人気漫画「るろうに剣心」の
実写映画化シリーズの第4段となる本作。
最終章はThe FinalとThe Beginningの二章。
鵜堂刃衛(黒笠)、志々雄真実編を経て
本作The Finalは原作最後の雪代縁編を描く。
可能であれば前3部作を観た方が良いですが
ある程度の前知識があれば本作から見ても良し。
原作では志々雄真実編ピークの後に
あまり良い印象の無い縁編がどう実写化となるか。
~映像・音楽~
監督は「大友啓史」
作品歴、TVドラマでは大河ドラマ「龍馬伝」
漫画原作関連で言うと「3月のライオン」など。
演出やリアリティ追及などは
本作のアクション、殺陣を見ていると
こだわりを感じるシーンが数多く感じます。
音楽は「佐藤直紀」
劇中での音楽はそこまで主張を強めず
自然に鑑賞できるような印象でした。
~演出・時間~
上映時間は138分。
全3部作同様に、膨大な原作漫画内容を
ひとつの映画作品にまとめ上げる点では
どの作品も2時間超えは仕方ない印象で・・。
今回の最終章も雪代縁編を1本にまとめるため
色々と改変はあるので、賛否両論は致し方ない。
ひとつ面白いのは縁編で語られる剣心の過去
十字傷のストーリーなどは簡易的に描かれ
最終章The Beginningで描かれるという演出。
この演出が吉と出るか凶と出るかは
最後を観終えてからわかるのかなと思います。
~見所ポイント~
①殺陣アクション
全作通じての見所ポイントですが
アクション、殺陣のシーンは魅力的です。
漫画実写化という点の一つの障壁でもある
「リアリティ」の境目のその線引き部分を
本作はとても良い塩梅で演出していると思う。
ひとつのシーンの魅せ方や緩急の付け方
緊張感と効果音など見所はたくさんある。
特に「間合い」の近さや詰め方などは
かつて見たことの無いアクションで見所。
ここは率直に映画作品として楽しめます。
②縁役の新田真剣佑
本作の剣心最大の敵として現る縁役の
新田真剣佑のたくましい二の腕筋肉!!
漫画実写化、アクション、力強さなど
想像以上に「おお!」と見応えあります。
このハマリ具合は漫画実写化の中でも抜群。
③漫画原作の取捨選択
これは賛否両論があるし答えはないけれど
漫画実写化のなかでは良い方だと思います。
原作内容をひとまず置いたとして
俯瞰的に本作シリーズを見てみれば
割とひとつの映画作品としてはまとまって
そこまで違和感なく観れた印象でした。
もちろん原作比較をすれば「色々」と
話したいことが出てきてしまうのは・・汗。
少なくともるろうに剣心実写化シリーズは
綺麗な取捨選択をしているとは思います。
(酷評される脚本ではないと思う)
まあ原作既読の身として言いたい点は
数多くあるけれど(それは注意点で語ろう)
~注意点~
①原作の取捨選択
漫画実写化のなかでは良作とは思うものの
やはり原作の取捨選択で気になる点はあって
大きな部分ではまとめると以下の点かなと。
『薫の例のやつ』
原作既読の方ならご存知でるろ剣のなかでも
一番問題となったあの例のシーンは全カット。
個人的にその点は良い選択だったと思う。
ただし、そうなると剣心の絶望、葛藤などが
やはり薄れ、その補完演出も無かった点から
縁との闘いへの「心情」が薄くなってしまった。
『斎藤一 役:江口洋介』
江口洋介さんの斎藤一は思ったより
違和感なく慣れてはきたものの
アクションシーンでは少し浮いた感じも。
特に牙突のシーンはるろ剣アクション内でも
唯一「ワイヤー感」満載なので残念です汗。
『あのキャラが再登場!?』
本作終盤であのキャラが再登場!?
これまでるろ剣実写シリーズの脚本は
割と綺麗にまとまった印象でしたが
この点はちょっと違和感。必要だった?
②剣心の過去を最終章後編へ
剣心の十字傷、縁編でも重要となる
「剣心の過去」「巴」のストーリーを
最終章後編のラストに移した演出。
これが最終的に良いか悪いかは別として
どうしてもそうなると縁編の心理描写などが
薄味になってしまうデメリットはある。
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「るろうに剣心 最終章 The Final」
を一言で言うならば
「るろうに剣心 実写映画集大成」
前3部作を経ての最終章2部構成の前編。
剣心の過去で十字傷の謎に迫るその物語を
最終章後編に移すことで、縁編を前編で完結。
この演出が吉と出るか凶とでるかは
最終章後編のThe Beginningを観終えてわかる。
少なくとも漫画実写化系で言えば良作。
特にアクション、殺陣のシーンは見応え充分。
原作未読既読に関係なく楽しめるので
興味があれば過去3部作もご覧ください
5つ星評価
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