本日の映画紹介は 「100日間生きたワニ」です。
○原作 きくちゆうき
○監督・脚本 上田慎一郎、ふくだみゆき
○音楽 亀田誠治
○製作 TIA
○封切日 2021年7月9日
■あらすじ
桜が満開に咲き誇る3月、約束したお花見の場にワニの姿はなかった。心配した親友のネズミが桜を撮影した写真を仲間たちに送るが、 それを受け取ったワニのスマホは画面が割れた状態で道に転がっていた。花見までの100日間、ワニの日常は平凡でありふれたものだった。花見から100日後、桜の木には緑が生い茂り、ワニの仲間たちはワニとの思い出と向き合えず、互いに連絡を取ることも減っていたが……。(映画.com引用)
2019年にtwitterで始まった以後
そのキャッチーなタイトルと内容で
話題にあがり人気となった四コマ漫画が
なんと映画化となった本作品。
原作タイトルは「100日後に死ぬワニ」
100日後に死を迎えるワニと友人達の
何気ない日常が主軸に描かれる内容ですが
本作タイトルは「100日間生きたワニ」
タイトルが違っている理由は一体何か。
それは映画を観ていくと何となくわかります。
~映像・音楽~
監督は「上田慎一郎、ふくだみゆき」
上田慎一郎さんは「カメラを止めるな!」
で一躍その名が有名になったかと。
ふくだみゆきさんは上田さんの妻であり
アニメーター、イラストレーター。
音楽は「亀田誠治」
主題歌はいきものがかり「TSUZUKU」。
~演出・時間~
上映時間は63分。
本作は二部構成演出を取って
原作の「100日後に死ぬ」ワニ
の姿を描いていく前半に対して
後半は「100日後のその先」を
オリジナルキャラのカエル登場を
加えて描いていく演出となる。
上映時間は63分と短いですが
そもそも原作が4コマでストーリー性も
非常に少ないのでこれでも長い方で
そもそもこの原作が「映画」として
どうやっても仕上げるのが難しいので
「正解」はあったのだろうか・・。
~見所ポイント~
①オリジナル要素「後半」
本作の原作四コマは
「100日後に死ぬワニ」の通り
100日間のワニの日常が主軸ですが
本作はその100日後の先を描く
原作の「その先を知れる」という点が
一番の見所なのかとは思います。
その為、そもそも原作未読の方に
何か見所があるかというと・・・
あまり思いつかないのが正直な所。
②オリジナル要素「カエル」
物語後半はオリジナルキャラの
「カエル」登場により、ワニのいない
それぞれの友人達を交えた日常から
ワニとの思い出を振り返るような演出。
ここは「演出」としては面白かったです。
友人グループの「一部」に「何か」があり
その後グループ間交流が疎遠になったり
ぎこちなさが残ったりする人間模様は
割とリアルで共感する点がありました。
動きが止まってしまったグループ間。
新たな時間が動き出すその瞬間は注目。
~注意点~
①原作四コマの映画
そもそも原作が四コマです。
そして絵本のようなヴィジュアルで
内容も限りなくライトな日常系。
これを「映画」にしようとした時
一体どう演出すれば「正解」になるのか。
色々と悪評や注意点が飛び交うなか
そもそも出発点から疑問が残るので
少なくとも原作未読の方には本作を
見ることは正直おススメできないです。
②悪評はお門違い?
先に挙げたようにそもそもが
本作の「映画」としての「正解」が
全く見つからないので笑
作画悪いとか、声優がひどいとか
原作を壊しているとか、内容が薄いとか
数多のレビューは個人的には
「お門違い」な気もしている一方で
それでもやっぱり「映画作品」として
面白いかと言われたら首を縦に振れず
「映画」とは何かという事を改めて
考えさせられたきっかけができました笑。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
「100日間生きたワニ」を一言で言うならば
「ワニの100日間を振り返る」
原作が「0日」から「100日後」に
死ぬワニという時間軸演出に対して
本作は「100日間」のワニの日常と
その知人たちが振り返るという時間軸を
上手く表現したタイトルだなぁと納得。
ただし原作四コマの何気ない日常を
「映画」として作り上げるその「出発点」に
正解が全く見つからない前提があるので
正直これは「映画」だったのかと疑問が。
初日興業収入500万、着席率2%という
厳しいスタートとなっているようで(汗)
原作既読ファンで気になる方にしか
おススメはできない作品だったと思います。
5つ星評価
コメント