本日の映画紹介は 「サマーゴースト」です。
○監督 loundraw
○脚本 安達寛高(乙一)
○音楽 小瀬村晶 当真伊都子
Guiano HIDEYA KOJIMA
○制作 FLAT STUDIO
○封切日 2021年11月12日
■あらすじ
都市伝説として噂される若い女性の幽霊「サマーゴースト」は、夏の間、花火をするとその姿を現すという。受験を控える高校3年生の杉崎友也は、スクールカーストに悩む春川あおいや病を抱える小林涼とネットを通じて知り合う。自分が望む人生へ踏み出せずにいる友也と、居場所を見つけられないあおい、そして輝く未来が突然閉ざされた涼には、それぞれサマーゴーストに会わなくてはならない理由があった。(映画.com引用)
~映像・音楽~
監督は「loundraw」
イラストレーターのloundrawさんが
監督を務めた短編アニメーション映画作品。
まだ20歳後半台の方で意欲作。
どこかで見たことのあるイラストだなぁと
youtubeで検索してたら納得。
前に自主制作映画予告としてPVを
あげていた方で記憶に残ってました。
音楽は作品世界に沿ったように
静かで切なく、時に開放的な雰囲気は
とても映画作品としては良かったです。
~演出・時間~
上映時間は40分。
部類は短編?ミドル映画か。
話の大筋は花火を灯すと現れるという
通称「サマーゴースト」に出会おうとする
3人の高校生が描く青春群像劇。
3人の高校生はそれぞれに抱える
悩み、葛藤を持ち合いながらも
サマーゴーストとの出会いから
少しずつ心を通わせ動きだしていく。
シンプルなストーリーで
40分という短い時間ですが
余韻も残し綺麗な見応えの印象です。
~見所ポイント~
①loundrawさんのイラスト
まずはイラストレーターloundrawの
その作画動画が映画館で見れる点は良く。
イラスト作画寄りで描かれる
その動画は「動くイラスト感」が強く
スクリーンで見ると独特な感覚でした。
②生と死
ストーリーはシンプルで
生きながらにして「死」に向き合う
どこかに闇を抱える高校生3人と
死にながら霊として「生」に寄り添う
不思議な魅力を秘めるサマーゴーストの
ひと夏の出会いから始まる青春群像。
そういう類の話です。
~注意点~
①若手イラストレーターのアニメ初監督作品
イラストレーターからのアニメ監督初作品。
もちろん予算だとか技術だとかスタジオだとか
色々とまだまだ整った製作陣ではない一面も。
そこまで完成度が高かったというと
そうは思えないし、全体的な完成度では
あまりハードルを上げない方が良いかも。
②イラスト寄りのアニメ映画
イラストレーター出身という事もあり
綺麗で繊細な印象の作画は見応えがあり
作品世界観も相まって魅力的でした。
ただ、そのイラストを「動かす」
アニメとしての動画技術はまだまだ弱く
「動かす」技術は気になる点が多かったです。
イラストの良さを前面に押し出す事での
「味わい」とか「作画表現」の領域ではなく
本作は単純に水準が低かった印象でした。
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「サマーゴースト」を一言で言うならば
「線香花火のような余韻の映画」
イラスト寄りの粗目の動き
ひと夏の切なく儚いような空気
静かで綺麗な幕引きと余韻
本作テーマの象徴にも思える
まさに「線香花火」のようなミドル映画。
loundrawさんの今後の制作や活躍など
これから先が楽しみと思える作品でした。
5つ星評価
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