本日の映画紹介は 「海辺のエトランゼ」です。
○原作 紀伊カンナ
○監督・脚本 大橋明代
○音楽 窪田ミナ
○キャラデザ 紀伊カンナ
○配給 松竹ODS事業室
○封切日 2020年9月11日
■あらすじ
小説家を目指す青年・駿は
海辺の少年・実央に思わず声をかけた。
――「ちょっと、君!」
それをきっかけに
実央も駿のことを意識し始めるが
彼は島を離れなくてはならなかった。
「はやく大人になりたい」
そう言い残し、実央は去っていく。
3年後、実央は駿のもとに戻ってきた。
少しだけ大人になって。
はにかんだ笑顔を浮かべながら。
叶わないはずの想いが、通じあったとき、
止まっていた時間が動き出す。
心が洗われるようなボーイズラブとして
人気を上げている原作漫画のアニメ映画化。
話の主軸は沖縄の離島で出会った男二人。
小説家の卵でゲイの駿と
美少年で寂しげな一面をみせる実央が
海辺で出会うことから始まる物語。
ボーイズラブと言ってもタイトルや
画風を見てもわかるように非常に爽やかな内容で
ハードルは高く持たなくて大丈夫です。
~映像・音楽~
監督は「大橋明代」
初めて耳にする監督の方でしたが
アニメ「暗殺教室」の演出や
アニメ「ハクメイとミコチ」の絵コンテなど
担当されている方のようです。
音楽は「窪田ミナ」
「泣きたい私は猫をかぶる」などの音楽も
担当されていてピアニストの方のようです。
本作品の舞台が沖縄の離島の海辺であり
ゆったりと爽やかな舞台は映像にも表れていて
キャラ線画は割とはっきりとしていて
風景画は柔らかく綺麗な印象が強かった。
~演出・時間~
上映時間は59分。
映画としては非常に短い時間ですが
もともと原作は続編はあるものの
海辺のエトランゼの本作は全1巻なので
内容含めてもこの時間は悪くない時間。
むしろ綺麗に要所ポイントを押さえながらも
急ぎ足にも感じない見応えだったので拍手。
~見所ポイント~
なんと言っても見所は原作者の
紀伊カンナさんが元アニメーターであり
本作品のキャラデザにも関わっているので
原作とアニメの雰囲気が完全一致していて
これは原作を見た人にとってはそれだけで見所。
ここは原作者が直接関わっている強み。
BL作品という事で万人受けはしないけれど
雰囲気や内容の爽やかさからも
決して見にくい作品ではないと思う。
同性を好きになる事への心のひっかかりを
なかなか取り除けない葛藤を持つ駿
駿に対してなかなか愛情が伝わらない
また母親の死というショックを持つ実央
駿の元婚約者で、駿への気持ちの踏ん切りをつけ
また駿の父親の件で島にやってきた桜子
三人それぞれの重要場面をきっちり描いていて
作品全体を通して文句なしの完成度だった。
~注意点~
全体的な完成度は高いし綺麗なアニメ映画ですが
やはり「ボーイズラブ」をテーマにした作品なので
そこのハードルがある人はちょっと注意です。
(かく言う自分も全く未知な世界なので・・)
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「海辺のエトランゼ」を一言で言うならば
「五感で感じる美しきBLアニメ」
内容自体は初々しい純愛物ですが
テーマがBLという変化球で上映も1時間。
こういうニッチな内容だからこそ
上映時間を短くして完成度を重視したか
キャラデザに原作者が関わったこともあり
作品としての完成度はものすごく高くおススメ。
沖縄の風、音、匂い、風景・・
五感で感じるその世界をアニメ映画として
まっとうに描いた綺麗な作品でした。
原作漫画の紹介もしたので良かったらどうぞ。
5つ星評価
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