本日のマンガ紹介は 「Sink」です。
○作者 いがらしみきお
○出版社 竹書房
○掲載誌 Web連載
○発表期間 2002年
○巻数 全2巻(コミック)
■あらすじ
ある朝、家の前の電柱に自転車がぶら下がっていた。山下は不審に思いながらも、誰かのイタズラだろうと思っていた。しかし、その後も次々に身の回りで起こる異様な状況に遭遇する。異様なものは、周囲のバランスを徐々に崩しはじめ、日常は少しずつ、狂っていく…。(公式HPより)
~ジャンル分類~
非日常ホラー漫画
~要素方程式~
[日常]×[ホラー]×[非日常]
=[不気味]×[不気味]
「ぼのぼの」との出会いから数年
たまたまブックオフで見かけた
「いがらしみきお」の名前に反応して
ページを開いたときの衝撃は今でも忘れられず。
「ぼのぼの」で有名ないがらしみきお先生の
全くの別作風、別画風のホラー作品である
本作品「Sink」にはそのギャップに驚く方も多い。
「ぼのぼの」のイメージでとどめておきたいなら
本紹介記事は見ない方が良いかもしれないです。
ホラー漫画でどんなジャンルが一番怖いか。
幽霊、ゾンビ、怪物、グロさ、人間悪・・
色んなジャンルがあると思いますが
一番怖いと思うのは「不気味さ」だと思う。
得たいの知れなさというジャンルは
やはり人間の本能的に恐怖に直結する気がする。
ホラー漫画が苦手な方はご注意あれ。
~見所ポイント~
①日常に潜む非日常
本作品のSinkは不気味さというジャンルで
日常の中の非日常のようなテーマで描かれる。
少しずづ日常というバランスが崩れるストーリーは
読み終わったあとの後味の悪さが光る。
家近くの電信柱に自転車が吊るされていたり
家のタンスにサンマが吊るされていたり
靴紐同士が結ばれた靴が家の中に落ちていたり
はたまた家中に黒い糸が張りめぐされていたり
日常がすこしずつゆがむ光景は本当に不気味。
本作品で起きる奇妙な現象は
ところどころ「いがらしみきお先生」らしいなと
思える部分もあってそこは若干クスリと笑える。
日常が崩れる非日常の恐怖は本当に恐ろしい。
②作者の別画風
まあ「ぼのぼの」での知名度が高いので
別の画風には驚くと思うし、あまりのギャップに
「本当に同じ作者?」と疑ってしまうほど。
画風も作風もあまりにギャップがあるので
そういう部分はファンとしては新鮮で興味深い。
~注意点~
①恐怖の2巻分
全2巻とは言え多くの恐怖が詰まっている。
読後感も非常に悪く、日常への影響もあるので
ホラーが苦手な人は絶対やめたほうがいい。
②ラストにつれて
ラストに近くにつれて説明じみたり
話のスケールが大きくなりすぎる部分は
締め方はちょっと疑問が残る部分がある。
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「Sink」を一言で言うならば
「日常の中の非日常ホラー」
これは自論。
ギャグとホラーは紙一重。
歴代のギャグ漫画家のホラー演出は
ピカイチに恐怖の演出が上手い気がする。
ギャグとホラーには何か通ずるものがある。
物語終盤。主人公の高校生が
台所のシンク部分で恐ろしい事態になってしまう。
タイトルにある「Sink」とは台所のシンクで
この「日常の中の非日常」というテーマにおいて
台所のシンクを「日常」と象徴しての
タイトルの意味だったのかなぁと感じています。
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