本日のマンガ紹介は
「山本耳かき店」です。
○作者 安倍夜郎
○出版社 小学館
○掲載誌 ビッグコミックオリジナル
○発表期間 2004-2010
○巻数 1巻
■あらすじ
あるところに女性が営む耳かき店がある。
その耳かき店を訪れる人達は、何とも言えない恍惚な表情を見せ、訪れる人達それぞれが魅せる人間ドラマが描かれていく…。
~ジャンル分類~
耳かきフェチズム漫画
~要素方程式~
[耳かき]×[女性]
=[フェチズム]×[官能的]
とあるところに女性が営む耳かき店がある。
そこに訪れる人たちは耳かきの気持ちよさに
何とも言えない恍惚な表情を見せて
官能的な世界に落ちる。
耳かきをされるときの何とも言えない
表情が人それぞれであるように
訪れる人達それぞれには
多くの人間ドラマが存在する。
そんな物語を耳かきを通して描くのが
この「山本耳かき店」なのです。
~見所ポイント~
①官能的な世界観
まずは何と言っても「耳かき」という
ジャンルを漫画に持ち込んだ
作者の「手腕」に感服してしまいました。
しかもデビュー作という…。
耳かきをされた時の
「気持ちよさ」「信頼感」「耳垢の取れる瞬間」
など、この作品ではこれでもかと「その瞬間」を
丁寧に、そして官能的に描いていく。
「人が耳かきをされて出る恍惚な表情」
をひたすら見ていくだけなんて ・・・
それだけ聞くと面白くなさそうなんですが
これがなぜか面白いんです笑。
②独特な世界観
多くは語らず、表情やコマの流れで
その世界観を描いていくこの作品は
多くの「想像」を掻き立てる。
この独特な世界観は読んでいて病みつきになる。
この「想像」っていうのは
個人的に漫画で言う「娯楽性」とは真逆で
自分のマンガの定義で言えば
「面白い」作品にはならないはずだったんですが
この作品の「余韻」「コマ」の描き方は
一種の芸術にも通じる力がある。
~注意点~
①娯楽性は無い
正直、漫画としての「娯楽性」は
無いと言っても過言ではなく
下手をすると、ただの「変な漫画」で
終わってしまう可能性は大いにある。
それでもこの娯楽とは
真逆に位置する「不思議な読み心地」は
きっと評価されるべき作品だし
なんだかんだ自分はハマってしまいました。
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「山本耳かき店」を一言で言うならば
「耳かきの純文学的フェチズム」
耳かきという行為による
「自分の弱い部分」を「相手に委ねる」
という部分を官能的に
娯楽性皆無でひたすら丁寧に描くこの作品は
純文学的でフェチズムに溢れた
希有な漫画作品だと言える。
そもそも漫画は「娯楽性」が
重要だと考える自分にとっては
その真逆の位置に存在して
「面白い」と思わせてくれたのがこの作品。
それぐらい「普通ではない」面白さが隠れている。
自分の漫画の価値観をくずしてくれた
この唯一無二の作品に感謝。衝撃的です!!
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