本日の映画紹介は
「さよなら私のクラマーFirst Touch」です。
○原作 新川直司
○監督 宅野誠起 ○脚本 高橋ナツコ
○キャラデザ 伊藤依織子
○音楽 横山克
○製作 ライデンフィルム
○封切日 2021年6月11日
■あらすじ
女子中学生サッカープレイヤー・ 恩田希は、誰よりも練習し、誰よりも努力してきた。それでも、彼女は試合になかなか出してもらえなかった。藤第一中学校、男子サッカー部──。それが、彼女の今いるフィールドだ。
中学2年生となった希は、監督に「新人戦の1回戦に出たい!」と何度も願う。その理由は、対戦相手にあった。一緒にサッカーを続け、小学4年生で転校していった、幼馴染の“ナメック” 谷安昭がいる、江上西中学校なのだ。(映画公式サイト引用)
原作漫画「さよなら私のクラマー」
の劇場版アニメ作品の本作は
原作起源でもある恩田希の中学時代を描く
「さよならフットボール」が題材となる。
原作「さよなら私のクラマー」は
その後の高校での恩田希や同じ意志を持つ
女子サッカーに奮闘する高校生達が描かれる。
女子でありながら男子サッカーに交じり
公式戦参加を渇望する恩田希の強い意志と
青春群像が交じり合う王道スポーツ作品。
~映像・音楽~
監督は「宅野誠起」
TVアニメ同様のスタッフ編成。
TVアニメがなんとも残念な出来で
本作劇場版アニメも同じ製作陣で
不安があるのは否めない・・。
音楽は「横山克」
アニメ製作は「ライデンフィルム」
本作TVシリーズアニメの出来の悪さで
個人的に印象があまり良く無い会社ですが
本作劇場版ではどう仕上げてきたか注目。
~演出・時間~
上映時間は104分。
原作「さよならフットボール」自体が
全2巻、また映画にちょうどいい尺度もあり
本作劇場版の脚本は映画向きでした。
原作改変も特に気になる点は少なく
時間も104分とちょうどいい塩梅で
演出や時間に関しては違和感も無く
綺麗な時間尺度なので良かったと思う。
~見所ポイント~
①女子サッカー王道スポーツ
主人公の恩田希は幼少期からの
大のサッカー好きで技術も男子顔負け。
しかし中学生での男子との体格差
「フィジカル」の差を感じ始めていく。
また、男子公式戦参加を渇望するも
願いが叶わず悶々とする日々が続く。
そんな時、幼少期に離れ離れになった
男の子の谷(あだ名:ナメック)と再会。
そしてナメックはなんと新人戦での
対戦相手校のキャプテンであった。
幼少期の弱々しかったナメックは
たくましく成長しサッカーも上手くなった。
そんな谷と恩田はライバル意識を持ち・・。
と、言うように非常に王道です。
そして真っすぐで綺麗なスポーツ青春。
王道スポーツ青春群像劇に魅せられる。
②女子サッカーの未来
原作漫画から一貫しているテーマの
「女子サッカーの未来」という構図は
本作品ではすべて「恩田希」というキャラに
背負われ、そして展開されていく。
原作「さよなら私のクラマー」程は
そのテーマ性は本作の原作である
「さよならフットボール」では少ないが
エンドロール時に女子サッカーの未来を支える
実際のプレイヤー達の写真が流れます。
このテーマは本作ではあまり描かれないが
原作の本来のひとつの主題を描く
中々素敵な演出だったなぁと感激でした。
③原作既読の方にはニヤリ
エンドロールを観ていて「?」がひとつ。
キャラ声優クレジットで、原作の
「さよなら私のクラマー」で登場する
周防すみれと曽志崎緑の表示が!?
しかし本作は原作「さよならフットボール」
二人は登場しないし、劇中でもいなかった?
と疑問を残した原作既読の方は席を立たずに
エンドロール後にご注目。
そしてなかなか面白いのでここは見所。
~注意点~
①作画動画について
TVアニメシリーズの作画動画が
あまり良く無く脚本もひどかったので
実は本作も映画とは言え心配要素で。
作画についは正直TVアニメ同様なので
そこまで良いとは言えない所は気になる点。
ただ、脚本自体は映画向きだし
卒なく綺麗にまとまっている印象だったので
TVアニメ程の残念感は無かったです。
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「さよなら私のクラマー First Touch」
を一言で言うならば
「女子サッカーの未来 恩田希」
女子サッカーの未来を支え
サッカーに真っすぐに向き合う少女の
青春スポーツアニメの本作品。
TVアニメの残念な出来もあって
本作も期待していなかったんですが
映画向きの原作尺度や構成も含め
予想以上に綺麗で素敵な映画でした。
作画動画については気になりますが
予想以上に良作なので万人におススメ。
5つ星評価
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